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第千三百三十七話 殿軍

「ようやく、いったか」

 巨人がサントレアの南門の向こう側を見渡しながら、いってきた。サントレアを囲う城壁よりも巨大な彼には、立っているだけで城壁の向こう側の景色が見えるのだろう。こういうときこそ羨ましいものの、普段の身の置き所に困ったような彼の姿を見ている限り、巨人の体躯も良し悪しだ。人間社会では生きにくいに違いない。

 反乱の報せから一夜明け、救援軍は解放軍と名を変え、目的を変えてサントレアを脱した。サントレアに残ったのは、セツナと巨人、それに天騎士スノウ・ザン=エメラリア率いるマルディア政府軍だけだ。政府軍がサントレアに残ったのは、マルディアの現状を鑑みれば当然のことだ。反乱軍の指導者ゲイル=サフォーは未だ健在であり、ベノアガルドの騎士団とともにマルディアを攻撃してくる可能性は高い。そういう状況下で、ガンディアの内乱に関わるなどありえないことだ。

 ガンディア軍が、自国の反乱の鎮圧を優先したように、マルディア軍もまた、自国の事情を優先するのは、当然の判断だった。

 つまるところ、サントレアの戦力はセツナひとりではないということだ。が、セツナはマルディア政府軍を当てになどしていなかった。それもまた当然の話だ。相手はベノアガルドの騎士団なのだ。十三騎士が出てくるだろう。十三騎士を相手にただの兵士が太刀打ちできるわけもない。武装召喚師が数多くいるというのであればまだしも、三人しかいないのだ。頼りにはならない。

 セツナは、軍議で進言した通り、騎士団には自分だけで当たろうと考えていた。政府軍にはサントレアの防備を固めることに専念してもらうのだ。そうすることで、セツナはサントレアを気にせず騎士団と戦うことができる。それに、政府軍が市内にいるだけで、サントレア市民も安心するだろう。

 もっとも、巨人グリフという強力極まりない味方がいるため、セツナは少しばかり安心していた。彼ならば、十三騎士のひとりやふたり、相手にすることも不可能ではあるまい。

「あとは、俺たちで騎士団を撃退するだけだな」

 セツナは、巨人を仰ぎながらいった。夕焼けが、頭上を染め始めている。そろそろ騎士団がサントレアを攻撃する準備を始める頃合だろう。北へ向かい、迎撃準備に入らなければならない。

「なあ、ラグナ」

 だれとはなしに告げるが、反応はない。しかし、セツナは、彼がどこかにいることを確信していた。

「いつまで隠れてるんだよ。わかってんだから、出てこいよ」

 不意に、背筋がひんやりしたかと思うと、なにかが背中を這い上がってくるのがわかった。驚きながら目を丸くしていると、隊服の首元からラグナの長い首が出てきて、小さな体が飛び出してきた。彼は、翼を広げてセツナの目の前まで飛び上がると、驚いたようにいってきた。

「なぜじゃ。なぜわかったのじゃ!」

「いやだって、おまえ、さっきいなかったじゃねえか」

 セツナは、半眼になって、告げた。さっき、とは、ミリュウたちを見送ったときのことだ。ラグナは普段、セツナ以外のだれかといなければならないときは、レムかミリュウの肩辺りに止まっていることが多い。シーラの場合もあるが、いずれにせよ、セツナは解放軍を見送っている最中、ラグナの姿を発見することができなかった。となれば、どこかに隠れているのではないか、と考えるのが自然だろう。

「ぬ……」

「魔法で隠れていようが、あの場に出てこなきゃ、騙せねえっての」

「むう……」

 憮然とする小飛竜の下に手を掲げると、彼はなにもいわずに手のひらに着地した。

「なんで残ってんだよ、おまえ」

「……先輩からの命令なのじゃ」

 ラグナが、言い難そうに答える。

「レムから?」

「御主人様を守り通すのが下僕の使命。そしてわしは下僕弐号故、壱号先輩の命令は絶対に遵守せねばならんのじゃ」

 ラグナがなにやら胸を張った。彼は下僕であることに誇りを持っているのだ。なんとも奇妙なドラゴンだ。万物の霊長であり、人類を見下しているくせに、セツナの下僕であることが誇らしいという。不思議で珍妙だが、ドラゴンの価値観としては、それが普通だったりするのだろうか。一方、かつて王都で遭遇したドラゴン、ラムレス=サイファ・ドラースは、ラグナとはまったく違う印象を受ける存在であり、人間など歯牙にも欠けぬような雰囲気を持っていたことを思い出す。となれば、やはりラグナ特有の価値観なのかもしれず、そんなラグナだからこそ、セツナたちと上手くやれてきたのだとも思える。

 人間社会に順応しきっているのだ。それだけではない。人間社会を堪能してもいる。ドラゴンとしての自尊心を持ちながら、人間と対等に話しあったりすることを楽しんでいる風なのだ。本当のところはわからないが、セツナには、そう映っている。

「先輩命令は絶対なのじゃ。こればかりはセツナでも覆せんのじゃ」

「へえ。御主人様より、先輩のほうが偉いのか」

「む……そういわれれば、確かに不思議じゃのう。普通、御主人様のほうが偉いはずではないのかのう」

 首を傾げるラグナの様子に噴き出しかけながら、セツナは、彼を頭上の定位置に戻した。彼は、セツナの服の中に隠れる際、魔法を使っていたはずだ。多少なりとも魔力を消耗したはずであり、少しでもセツナから吸収し、補給しておいて貰いたかった。

 ラグナの魔法は、防御面では限りなく頼りになる。彼の魔法防壁は、ウルクの精霊合金製の装甲さえ貫いたカーラインの光の槍を完全に防ぎきったのだ。精霊合金は並の召喚武装では傷ひとつつけられないほどの強度を誇る。その防御を貫く光の槍を防ぎきる魔法防壁の強力さたるや、それだけでラグナの存在価値があるといってもいいほどだった。もっとも、魔法防壁も万能ではなく、強力な攻撃を防ぐためにはそれだけ魔力を消耗しなければならず、十三騎士の攻撃を防ぎ続ければ、すぐに魔力も底を尽きるだろうということだ。

 とはいえ、ラグナは長らくセツナや周囲から魔力を吸収し続けており、相当な量の魔力が蓄積されているだろうことは想像に難くない。彼の補助とグリフの援護があれば、十三騎士を凌ぎきるのは、案外難しいことではないかもしれない。

「……まあ、いいさ。正直な話、ひとりじゃいろいろときついのはわかりきってたんだ。おまえとグリフがいてくれて、助かったぜ」

「そうじゃろうそうじゃろう」

 ラグナが頭の上で頷くのを感じる。彼がいるだけで安心感が何倍にも膨れ上がるのは、セツナがラグナを信頼しているからだろう。これまで積み重ねてきた物事が、彼への信頼に繋がっている。ラグナの判断力は、信頼にたるものだ。

「うむ。先の戦いを見たが、騎士団は不可思議な力を用いる。うぬひとりでは、厳しい戦いとなろう。あやつが我に助力を頼んだのもわからんではない」

「アズマリアがねえ」

 セツナは、紅き魔人の姿を脳裏に思い描いた。絶世の美女たる武装召喚師の祖は、いったいなにを考えているのだろうか。セツナを窮地に追い込むようなことをしたり、また、セツナを手助けしたり、やることなすこと支離滅裂のように思える。なにか考えがあってのことなのか、なにも考えていないのか。

 考えているにせよ、いないにせよ、セツナがこの地に来ることがわかっていたのは、間違いない。でなければ、グリフにセツナの援護を要請したりはしないだろう。グリフは、サントレア近くの山の中にいたというのだ。ガンディアがマルディア以北に軍勢を差し向け、騎士団との間で戦争状態になることを想定していなければ、ありえないような行動。

「あいつ、どこまでわかってるんだか」

「さてな。あやつの正体は、我にもわからぬ」

「正体?」

「正体……なにを考え、なにを目論んでおるのか、だ」

「……この世界に存在する理不尽な力をどうにかしたいんだとかなんとかいってたな」

「理不尽な力か」

 巨人が、なにか思い当たることでもあるかのようにつぶやいた。

「この世には、理不尽な力は多い。神々も、竜もまた、それだ。かつての巨人族もそうだったという」

「竜も?」

「なんじゃその反応は。まるでわしが弱いかのようではないか」

「だって俺に負けてるし」

「ぬぬぬ」

「我には、うぬの持つ矛もまた、理不尽に思えるがな」

 それはつまり、理不尽な力にならば、負けるのも不思議ではない、ということかもしれない。

「……かもな」

 セツナは、黒き矛の圧倒的な力を思い出して、静かに肯定した。黒き矛は、ただでさえ凶悪だった。ランスオブデザイア、マスクオブディスペア、エッジオブサーストという眷属を吸収するたびに強くなり、狂暴性を増していった。いまやだれにも手を付けられないほどの力を持っていて、セツナ自身、制御しなければ扱いきれなかった。十三騎士を凌駕する力を引き出すことは、不可能ではない。だが、それをすれば、制御しきれず、暴走する可能性がある。力の暴走の果てに待つのは逆流であり、逆流現象は召喚者の心を壊すものだ。ミリュウは幸運にも自分を取り戻したが、逆流現象の影響によって、セツナに依存するようになってしまった。もし、無事に生還したとしても後遺症が残るようなことはしたくなかったし、そもそも、逆流現象から生還できる可能性自体、極めて低いのだ。逆流現象が起きる可能性のあることは、できない。

 だから力を抑える必要があるのだが、それでも十二分に強いのが黒き矛だった。

 理不尽というのも、わかりすぎるくらいにわかる。

「さて、行くか。騎士団がこちらの都合を聞いてくれるとも思えねえ」

 セツナは、サントレアの北側に視線を向けると、巨人と竜にいった。

 騎士団がガンディア軍の足止めを目的として攻め寄せてきたのであれば、今日中にもサントレアへの攻撃が開始されるだろう。でなければ、ガンディア軍はなんの障害もなくマルディアを脱出することができるのだ。

 騎士団がジゼルコートと繋がっていないのであれば、そういう可能性もなくはないが、ガンディア本土からの急報とときを同じくしてマルディア領内に侵攻してきたことを考えれば、騎士団がジゼルコートから情報を得ているのは間違いなかった。

 エインがいったように、騎士団は最初からジゼルコートと繋がっていて、救援軍の中核をなすガンディア軍をマルディアにとどめておくため、わざと北へ北へと逃れたのだ。

 騎士団は、マルディアの反乱軍に勝利をもたらすよりも、ジゼルコートの謀叛に協力することを選んだのだろう。どういう理屈なのかはわからない。

 それが騎士団のいう救済に繋がるとも思えない。

 騎士団がなにを考え、なにを目論見、なにを目的としてジゼルコートと繋がっているのか。

 戦ったところで聞き出せるとも思えないが、セツナは、そんなことを考えながら夕闇の迫る町中を疾駆した。



 日が、落ちようとしている。

 大陸暦五百三年三月三十日。

 ベノアガルド・マルディア間の国境を越え、東西を峻険な山々に閉ざされた道を南下し、ついに騎士団はサントレアを視界に捉えた。サントレアは、マルディア最北の都市であり、ベノアガルド領と近い都市のひとつだ。ベノアガルドにとっても馴染み深い都市であり、サントレアの北側半分がベノアガルド色に染まっていることはよく知られている。

 ルヴェリス・ザン=フィンライトは、サントレアでの滞在は、まるで騎士団領にいるかのようで、新鮮さも刺激もなにもなく、つまらなかったと愚痴をこぼしていた。彼にしてみれば、ヘイル砦に入ったシヴュラ・ザン=スオールやレコンドールに向かったカーライン・ザン=ローディスが羨ましかったのかもしれないが、シヴュラにいわせると、どこも似たようなものだ、ということだった。

 実際、マルディアの特色ならば、サントレアでも十二分に味わえるのだ。サントレアの南側は、マルディア色が濃く、ルヴェリスの不満も解消されるものだったはずだが、彼の目にはつまらない風景に映ったのかもしれなかった。

 そんなどうでもいいことをふと考えてしまったのは、第一陣にルヴェリスがいないからだろう。

 ドレイク・ザン=エーテリアは、サントレア攻撃軍第一陣の先頭にあって、サントレアの北門を見やっていた。

「報告によれば、ガンディア軍はサントレアを脱したようですね」

 馬を寄せてきたのは、ハルベルト・ザン=ベノアガルドだ。

「あちらにも、ガンディオンからの急報が届いたのだろう。当然の結果だ」

 そうなることは、目に見えていた。

 ガンディオンからの報せがドレイクたちに一足早く届いたのも当然として、その直後にガンディア軍がジゼルコート・ラーズ=ケルンノール・クレブールの反乱を知るのも、当然といえば当然のことだ。王都が陥落したとはいえ、連絡手段はいくらでもあるだろう。王都のみならず、ガンディア方面がジゼルコートの手に落ちたとなれば、その情報は周囲四方に行き渡り、そこから流れ出る情報を食い止めることなど、ジゼルコートほどの手腕を持ってしても不可能だ。ガンディア方面を完全に隔離したとしても、それを怪しまれるのだから、どうしようもない。そして、そもそも、ジゼルコートには王都制圧の情報を隠す必要がない。

 ジゼルコートの目的は、レオンガンドを討つことだ。レオンガンドを討ち、自分こそが正義であると喧伝すること。勝者こそが正義だということは、レオンガンド自身が実践してきたことであり、ガンディアが大国として君臨していられるのも、これまで勝ち続けてきたからだ。ジゼルコートが勝利者となり、レオンガンドが敗北者となれば、歴史はジゼルコートを正義と認定するだろう。もっとも、それでジゼルコートがガンディアを手中に収められるかというと、疑問の残るところではあるが。

 謀叛が上手くいったとして、レオンガンドを討つことができたとして、それですべてが丸く収まるはずもない。各方面で反発が起き、反乱が続発するかもしれない。となれば、ガンディアという国そのものが内乱によって滅び去る可能性もある。ジゼルコートはそうならないよう、上手く事を運ぶつもりのようだが、それもこれも、レオンガンドを討つことができればの話だ。

 まずは、レオンガンドを討たねばならない。

 そのためには、どうすればいいのか。

 ジゼルコートは頭を悩ませただろう。

 ガンディアは、短期間で大国へと急成長しただけあって、圧倒的な戦力を誇る。中でも黒き矛のセツナの力たるや凄まじいものがあり、彼だけでもどうにかしなければ、ジゼルコートに勝ち目はない。

「そして、ガンディア軍は、セツナ伯に殿を任せた」

「それも、ジゼルコート伯の想定通りだな」

 状況の多くは、ジゼルコートの思惑通りに運んでいた。ガンディア軍を中心とする救援軍の結成、そしてマルディアへの派兵から始まる反乱軍、騎士団との戦い、その推移も、大方ジゼルコートの思惑に添っている。ジゼルコートからしてみれば、騎士団にはもう少し粘って欲しかったかもしれないが、サントレアまで攻めこませたほうが、結果的には時間稼ぎになるだろう。レコンドールからガンディオンよりも、サントレアからガンディオンのほうがわずかながら遠い。一日二日程度の違いではあるし、その程度では大差はないだろうが、それをいえば、どれだけ時間をかけようと、今日にはジゼルコートの反乱が判明したのは間違いなく、結果的には同じだったということだ。

 それも、ジゼルコートは考慮していたに違いない。

 そして、ガンディア軍が殿をセツナに任せるのも、ジゼルコートの策略通りだった。

 ジゼルコートは、セツナの対処をどうするべきか苦慮していた。セツナを封殺しなければ、ジゼルコートに勝利はない。黒き矛のセツナは圧倒的なのだ。だからジゼルコートは騎士団を利用した。騎士団にガンディア軍を追撃させることで、ガンディア軍に二択を迫ったのだ。

 多大な戦力を放出し、犠牲にするか。

 あるいは、セツナ率いる少数精鋭を残し、犠牲にするのか。

 ガンディア軍は後者を取った。しかも、セツナひとりだけを残したという。セツナひとりに騎士団と十三騎士を任せるのは、いかにも危険と思えるのだが、セツナならばなんとかしてしまうのではないかと考えなくもない。それくらい、彼は強かった。

 もっとも、実際は、彼はひとりではない。

「さすがに、グリフの存在だけは想定外のようですね」

 サントレア北門の外側に、巨人の山のような巨躯が聳えている。隆々たる巨体は、まさに動く山そのものといってもよく、拳を振り下ろすだけで複数の騎士団騎士が絶命したことは、記憶に新しい。戦鬼グリフ。伝説に謳われる闘争の申し子だ。

 セツナは、彼の足元にいる。黒き矛を手にした少年は、軽装の鎧を身に纏っていた。

「あれは、だれにも予想できんよ」

「まさかマルディアに潜伏していたとはな」

「あれ、どうするんです?」

 ハルベルクがだれとはなしに尋ねた。

「んなもん、決まってんだろ」

 と、ベイン・ベルバイル・ザン=ラナコートが、馬上、大型の手甲をぶつけ合うようにした。

「俺様がぶっ倒す」

 ベインは、ジゼルコートの謀叛に対応するべくマルディアを去るであろうガンディア軍を足止めするため、中央から派遣されてきた追加戦力だった。ほかにも、続々と中央から送り込まれつつあり、騎士団の勝利は疑いようもなかった。

「だ、そうだ」

 シヴュラが呆れたような顔をした。シヴュラには、ベインのような直情径行の人間が苦手らしかった。ハルベルトも少しそういうところがあるものの、シヴュラに懐いていることもあって、邪険にはできないのかもしれない。

「では、グリフはラナコート卿とベノアガルド卿に任せよう」

「はい? わたくし、ですか?」

 ハルベルトがきょとんとしたのは、いつものようにシヴュラと組むと想っていたからだろう。普段ならばハルベルトはシヴュラと組ませるのだが、ドレイクは、今回ばかりは私情を優先した。ベインと組むということは、セツナと戦えないということだ。

 ドレイクは、セツナと戦いたかった。

「よろしく頼むぜ、王子さんよ」

「ですから、わたくしはもう王子でもなんでもありませんってば」

「硬いこというなよ、王子さん」

「えーと……」

 徐ろに肩を叩くベインに対し、ハルベルトは困り果てたような顔をした。

「スオール卿は、わたしとともにセツナ伯に当って頂く」

「了解した」

「では、さっそく、わたしから行くとしよう」

 ドレイクは告げると、馬に首を下げさせ、背に帯びた大剣を抜いた。十分な重量。柄を両手で握り、力を込める。

 敵は、まだ動き出してもいない。迎え撃つつもりなのだろう。

 ドレイクは、大剣を大きく振りかぶった。

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