第20話:「組織の影、黒い羽根(フェザー)」
成長の影には、いつも影がつきまとう。
今回はカイルの知られざる過去と、彼を狙う組織の黒い影が迫る物語です。
夕暮れが森を染める頃、カイルたちは拠点に戻っていた。
しかし、彼らの帰還を待ち受けていたのは、静かな嵐の予兆だった。
「カイル、少し話がある」
リーダーのアレックが低い声で切り出す。
「組織『フェザー』が動き出した。お前のことをよく知る、黒い羽根の刺客が近づいている」
カイルの心臓が跳ねた。
「フェザー……か」
彼の胸には、忘れたいはずの記憶が蘇る。
***
その夜、闇の中に潜む影が動き出した。
組織『フェザー』。その名の通り、漆黒の羽根をモチーフにした刺客たちは、どんな時も冷徹だ。
「カイル・スローンを消せ」
指令はシンプルだが、果てしなく重い。
***
翌朝、カイルは仲間とともに訓練場へ向かう。
しかし、そこに現れたのは黒いマントを纏った一人の男。
「待っていたぞ、カイル」
冷ややかな声。彼の名はレムル。かつてカイルと因縁のある暗殺者だ。
一瞬で緊張が走る。
「ここで終わらせる」
レムルの刃が光を裂いた。
***
カイルは動いた。鍛え上げた体と剣技で応戦する。
だが、レムルの動きは速く、狡猾だった。
激しい斬り合いの中、カイルの心には決意が燃え上がる。
「俺は、ただの少年じゃない。守るべきものがあるんだ」
そして、その叫びは刃と刃のぶつかり合いに乗って轟いた。
闇に潜む過去の影が、今カイルの前に立ちはだかりました。
彼の成長を阻もうとする敵の存在が明らかになり、物語は新たな局面を迎えます。
次回、第21話「新たなる盟友、ガルドとの出会い」では、意外な人物が現れ、カイルの人生に大きな影響を与えます。お楽しみに。




