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愛の言葉ではない言葉
愛の言葉を散りばめた。
君に鼻で笑われれば笑われるほど、さらに愛の言葉を散りばめた。
生まれてきてよかったと思えてしまう浅はかさは、僕たちの変容を喜ぶ心をも変容させてしまうのだろうか。
そんな時には君に、愛の言葉を塗しかけよう。
逃げても逃げてもやってくるサイクル、君のいた季節の残り香さえも残さずにやってくる愛の実態が、僕の言い訳の残滓さえもからげて走り出す。
『ねぇ、普通のことが言えなかった季節が思い出として残るなら、普通のことを初めから言えばよかったんじゃないの?』
君の、愛の言葉ではない言葉に愛されて。