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裏路地ホープ
人気のない路地裏から、人気しかない裏路地の飲み屋が密集した地帯へと渡り歩くは、きっと生まれてからずっと好奇な視線を浴びているはずの高貴な私だ。
みんなと一緒だったように感じていたあの手付かずの鉄屑DAYSも指折りは数えられぬほどレイヤーを重ね、先送りによく似た精神癌をアル中よりはマシさと笑い飛ばす日々からも爪弾きにされそうなのさ。
ありふれた幸せをただ避けたかった頃の馬力が仮にギネス級ならば、未だにそれを思う心は微熱級にすらなれないと最近判り始めたのだ。
また今日も、今日を金策のためだけに使った人々が、必要以上に声を張り上げ、私の散策を邪魔する。
人は一人じゃ生きてはいけない、というのは私も認めざるを得ないけれど、空想上の区役所に最上級の牛タンを提出するのがナンセンスじゃない世界ならば、一人の方がずっと安全だ。
一度つるんと革新的なその薄皮を剥けば、君が嫌がっていた全てがすぐに顕されることも私は知っている。
そのようなあまり美しくないジレンマを抱えながら、私は今日もこの裏路地を抜けた。