平和な一日その5
四時間目の体育が終わり体操着を着替え教室へ。
ちなみにあの服は汗なんかも吸収して汗の匂いなんかも消してくれる。
本当便利だよね〜。
香りとかも自分で選べるし。
ちなみに俺はミントが最近気に入ってる。
大半はフローラルが多いいね。
「ようやくお昼ね!山口さんのお弁当が一日の楽しみだわ!」
元気がいいのはいいんだけど。
小鳥遊と柚木は椅子を俺に運ばせる。
まぁそんなに重くないからいいんだけどね。
「ちょっと!柚木!何新庄の椅子に座ってんのよ!」
「だって〜足疲れてパンパンなんだもん、いいよね〜?晶くん〜」
そう言ってスカート越しに太ももの辺りを触ってる。
そんな事より椅子置きたいからどいて欲しい。
「ほら?いいって」
「あいつはなんも言ってないでしょ!」
引き剥がそうとする小鳥遊。
それを必死に抵抗する柚木。
「あ、晶くんは椅子置きたいからちょっとどいて欲しいみたいです」
さすが山口。
俺のご主人様だね。
言いたいことよく分かってる。
「じ、じゃあ分かったわよ!柚木は新庄の席に座ればいいじゃない!その代わりウチの席に新庄が座りなさいよね!」
「別にいいけど」
そう言って二人の椅子を置き小鳥遊の席に着く。
「あんた結構大胆ね!?ちょっとくらい羞恥心とか照れたりとかないの!?」
「いや、ないけど、てか疲れたし早く座りたい」
「そ、そう」
そんな事をしていると俺と山口の机を合体させた場所には既に四人分の弁当が置いてあった。
灰色が俺。
ピンクが山口で水色が柚木、黄色が小鳥遊。
なんとなく想像通りだよね?
ちなみに黄色は弁当箱がでかい。
声もでかいしね。
やっぱカロリー使うのかな?
胸もでかいし。
おっとこれ以上はいけない。
流石にこのネタで擦りすぎだよね。
「……何ニヤニヤしてるんですか……」
あれ?顔には出てないはずなのに。
山口はゴミを見るような目でこちらを見てくる。
怖いですね。
「俺ニヤニヤしてたかな?」
「「うん」」
してたみたいです。
「そんな事より早く食べるわよ!」
食い意地の張ってる黄色が弁当箱の紐を解く。
俺もそれに続いて蓋を開ける。
中には3色バランスよく添えられたおかずと白米のみの二段弁当だ。
何処にでもある普通の弁当だけどこれを毎日作るのは大変だよね。
俺は無言でモグモグと食べ始める。
「美味しかった!明日も楽しみね!」
ちなみに黄色は食べるのがめちゃ早い。
あと箸が苦手なのでお子様用のフォークで今は食べている。
猫のキャラクターフォークで。
すごい見た目とのギャップがあるね。
「あ、今日はいつもよりすごい早いですね体育もありましたし」
「そうね!凄くお腹すいてたわ!」
口元にご飯粒がついてる。
それを山口がハンカチで優しく取ってあげていた。
そこは食べてあげるんじゃ?
「隣でぐーぐー五月蝿かったよね晶くん」
「うん」
すると小鳥遊が顔を真っ赤にする。
「嘘でしょ!?聞こえてたの!?」
この後の展開は読めてる。
殴られるのだ。
だから俺は視線を柚木にずらす。
会話の権利を譲る。
「うん、体育の前から……もしかして一時間目の数学の時から?」
「そんな訳ないでしょ!そうよね!?新庄!ちゃんと説明してやりなさいよ!」
背中を叩かれてむせ返りそうになるがなんとか抑える。
食事中くらい静かにして欲しい。
俺は小鳥遊とは席が隣だから必然的に俺以外回答権がない。
どうでも良すぎで気にならなかったけど。
多分鳴ってた気がする。
けど正直に言えば殴られる。
ここは気を使ってあげるべきだよね。
「うん、スマホのバイブじゃない?」
結局腹を殴られむせ返った。




