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第五十四話

  

 しばらく歩きバスで移動する。


 もちろんポイントは無いので今日は現金を持ってきてる。


 一応山口がお小遣いくれると言ってくれたのだが服も買ってもらってこの数ヶ月ずっとお世話になってるのに小遣いまでねだるのはちょっとだけ気が引けた。


 現金はあと一万ちょいあるし今日もギリギリまでケチればそこまで出費せずに済むと思う。


 それに謙虚なところを見せれば山口からの評価も上がるしね。


 山口ポイントを上げてポイントをゲットする。


 うんうん、なんと言う素晴らしい作戦。


 あ、どうでもいいですよね。


 バスの座席は適当に決めたみたいだが運悪く俺の隣が小鳥遊になってしまった。


 まぁそんなにショッピングモールまで距離も無いしどうせ文句言われるんだから今のうちに言われておこ。


 席に着くと早速猫パンツさんが俺の太ももをつねってきた。


 「新庄……あんた分かってるわよね?」


 向こうの座席に聞こえないよう配慮しているのか息混じりのやや強めな声でそう言ってくる。


 何が?とすっとぼけたいところだが猫パンツ様はそれはもうお怒りでした。


 「いや、柚木って子を誘ったんだけど急遽来れなくなったから代理として北さんをね」


 「なんでよりによって真奈美なのよ!あいつはムカつくやつだけど見た目と中身が完璧だからウチが霞んで見えるじゃない!このっ!」


 蹴られそうになるところを華麗に避けてやった。

  

 お、めっちゃ悔しそうな顔してる。


 車内ではお静かにね?小鳥遊さん。


 心の中で煽りまくってやった。


 お、既に今日来た甲斐がありましたね。


 久しぶりにテンション上がってきた。


 「まぁいいわ!ちょうどいい機会だしウチが真奈美より良物件な女って証明してやるわよ!あんたも手伝いなさいよね!」


 「嫌だ」


 こんな暴力猫パンツ野郎の手伝いなんてごめんだね。


 大体今だってバス代俺が払う事になってるし。


 「ふっざけんじゃないわよ!あんたが連れてきたんでしょ!あんたはモブキャラなんだから黙って私みたいなメインキャラを引き立てればいいの!分かった!?分かったら返事しなさいよ!このっ!このっ!」


 ほっぺを引きちぎる勢いで引っ張られながらふと思った。


 そう言われてみればそうかも。


 確かに俺は少し自我を持ちすぎてたかもしれない。


 あまりにも小鳥遊がムカつくせいでなんとか腹いせをしてやろうとあの手この手を考えすぎてたかもね。


 確かにモブキャラらしくメインのキャラ達を引き立てるのも俺の役目なのかも知れないね。


 モブキャラも色々なのがいるし今回はメインキャラ達を引き立てる役割を担うとしよう。


 俺はコクコクと頷く。


 ようやく手を離してくれた……あとちょっとだけ酔ってきた。


 「よしそれでいいのよ!着いたら早速あんたは真奈美の気を惹きつけなさい!あんま真奈美と大谷くんを二人っきりにしておいても危ないからね……って!ちょっと聞いてるの!?ねぇ!?景色見てんじゃないわよ!」


 窓の外を眺めてたら叱られた。


 その後もしばらく何かギャーギャー言ってたが殆どスルーした。


 ん?


 気のせいだろうか?今誰かに見られていたような?

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