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番外編 お泊まり

何故か私の家に新庄くんが泊まりに来て初めての夜。


 時刻は二十五時を過ぎたけど……。


 全然寝れません!


 普段はパジャマを着ないで寝ているけど今日は流石に新庄くんが泊まりに来てるし。


 でもなんかいつもの解放感がなくて寝れない!


 本当は脱ぎたい。


 このパジャマのボタンを今すぐにでも外して気持ちよく眠りたい!


 私は今寝室にいて彼はリビングのソファーで寝ています。


 ちょっと除いてみても……いやいや!私みたいな芋女に寝顔を見られたら新庄くんも嫌がるだろうし……。


 と言うかなんで私は自分の家で遠慮なんかしてるのでしょうか?


 なんか逆にムカついてきました。


 私はベットから起き上がりそっとリビングへの扉を開ける。


 そこにはだらしない格好で口を開けて寝息を立てている新庄くんの姿がありました。


 それはもう気持ちよさそうに寝ています。


 私の苦労も知らないで!


 とりあえず水を飲んで落ち着こう。


 シンクの蛇口からグラスに水を注いでゴクゴクと飲み進める。


 緊張していたせいかやたら喉が渇いていたのでめっちゃ美味しいです。


 けど新庄くんが寝てるなら私は脱いでも問題ないのでは?


 そもそも寝室を覗かれるなんて事はないだろうし。


 うん!そうだ!第一ここは私の家なんですから。


 脱ぎます!


 私はパジャマを脱いでベッドに飛び込む。


 よしこれなら気持ちよく眠れそう。


 布団をかけて天井を見つめる。


 シミひとつない綺麗な真っ白い天井。


 ……あの感じだと新庄くんは私の事を女子として見てくれてないよね。


 ううん!そんなの当たり前じゃん、部屋も可愛くないし顔も良くないし性格も良くないし。


 そんな当たり前な事を……ネガティブな考えをしていると時々思ってしまう。


 退屈だ。


 でもこれは自分が進んだ道だから、人生なんだから。


 目立たず面倒な事は避ける、友達を作ればストレスだってあるし。


 けどその代わり楽しみもない。


 他人から声をかけてもらえるなんて甘えた考えをしている時点で私はダメだ。


 そう、だから新庄くんは私を利用しているだけで別に私に興味がある訳じゃない。


 瞼が重くなる。


 きっと……退屈な三年間なんだろうな……。


 ーーーー


 そんな事なかった!


 私は朝目を覚ましてトイレに行こうとリビングへの扉を開けて新庄くんにばったりあった。


 「おはよう〜あれ?山口って寝る時服脱ぐタイプ?」


 私は眠気まなこで自分の身体を見る。


 目を大きく見開き新庄くんと自分の格好を交互に見直す。


 「あ、トイレ先入ってもいい?俺も行きたくてさ」


 いやいや!え!?私の身体ってそんなに魅力ないの!?


 一応女子高生の下着姿を新庄くんは見ているんですよ!?


 違うの!?私って女子高生じゃなかったの!?


 「あ……どうぞ」


 彼は「どうも〜」と言いながらこちらをチラ見する事も無くスタスタと歩いて行った。


 本当に早く帰ってほしい!

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