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番外編 その2


 俺は山口に二回分支払って貰いバスに乗り込んだ。


 これちゃんと元取れるのかな?往復合わせたら特売分の値段越えない?


 そう思ったが怖くて聞けなかった。


 だって既に予想外だったって顔してるもん。


 「や、山口?大丈夫?」


 「だ、大丈夫……じゃないかも」 


 ですよね。


 顔にそう書いてあります。


 10分ほど走り目的地のスーパーに着いた。


 思ったより敷地は広く地元のスーパーってよりは大型店って感じ。


 「結構広いな、山口は何回か来た事あるんだったっけ?」


 「はい」


 そっけない返事をしてスタスタと前に進む山口さん。


 その背中姿は昔の母親に似てる。


 うちも貧乏だったからよく買い物付き合わされたなぁ〜。


 「新庄くん、急いで」


 「あ、はい」


 のんびり歩いてたら怒られてしまった。


 無事卵は買えて他の必要な調味料や一週間分くらいの食材を買い漁った。

 

 近場のショッピングモールより安いしね。


 それに卵は意外と売れ残っていた。


 賞味期限短いからかな?


 食べたいものあるかって聞かれたから唐揚げって答えたけど高いからダメって言われてしまった。


 まぁしょうがないよね。


 特にその後は会話もせず支払いを済ませた。


 けど山口は浮かない顔をしている。


 俺は一度スーパーの中を見渡す。


 「あのさ、スマホ借りていい?」


 「いいですけど……何するんですか?」


 俺は山口から手渡されたスマホを受け取る。


 「もう二周くらいいける、昔母親とよく買い物に付き合わされて同じ事してたし慣れてるんだよね、荷物だけ見といてよ」


 そう言って俺は再び会計を済ませる。


 「多分もう一回行ける、はいこれ」

 

 卵の入ったビニール袋を渡す。


 「あ、あの……次は私が……行ってきます」


 「いや、いいよ、山口はこう言う事嫌でしょ?俺は気にしないけど」


 「確かに恥ずかしいし本来駄目な事ですけど……じゃああと一回ずつ行きましょう、そしたら結構余裕出来ます」

 

 そう言って真剣な表情で俺の顔を見てきた。


 前髪のせいで目元は見えないけど。


 「そう言う事ならあと一回ずつ行きますか」


 こうして俺たちは両手いっぱいにビニール袋をぶら下げて家に帰った。

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