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第八十四話


 「それじゃ電気消しますね」


 「「「は〜い」」」


 視界が暗くなりだんだんと周囲の輪郭だけが伝わって来る。


 「なんだかんだ私たちが並んで寝るのって初めてよね?なんだかワクワクするね?晶くん」


 隣で背中をペタペタ触って来る柚木。


 ちなみに順番的にはこうだ。


 [ 柚木俺小鳥遊山口 ]


 うん、近すぎ。


 二人の息が当たりそうなくらい近い。


 こんなラブコメ展開いらない。


 「あの……なんかちかくないですかね?」


 「そ、そんな事ないわよ!別に普通よ!夜は冷えるんだし密着した方があったかくていいじゃない!」


 はいはいそうですね。


 俺は小鳥遊を背中側に向ける。


 「あっ!ちょっと!なんで反対向くのよ!こっち向きなさいってば!」


 ゴロンと無理やり回される。


 外の街灯の光が僅かに部屋の中に入っている。


 その小さな光を通してお互いの瞳が合う。


 つくづく思うけど人の目って凄い綺麗で神秘的だよね。


 小鳥遊のは特にキラキラしてる。


 目は口ほどに物を言うって言うけど本当にその通りだと思う。


 「そ、そんなに見ないでよ!」


 ふふっ、最近小鳥遊の事が分かってきた。


 この人いざってなると照れ臭くなるタイプだ。


 本人から攻める時はブレーキかけないけど相手からアクセル出すと止まっちゃうタイプ。


 う〜ん、この例え分かりずらいかな?


 「ちょっとなにこんな目の前でイチャイチャ見せつけてんのよ、晶くんはこっち向いて寝ましょうね〜」


 再びゴロンと半回転させられる。


 「とりあえずおやすみのチュウしとく?」


 「しない」


 「もう照れちゃって」


 めっちゃツンツンして来る。


 小鳥遊と違って痛くないからいいんだけど。


 「ちょっと柚木!新庄はウチの方向いて寝たいって言ってたわよ!」


 「そんなの一言も言ってないよね〜」


 うん、言ってない。


 「言ってたわよ!て言うかさっき無理やりこいつを回してたじゃない!」


 「それは小鳥遊でしょ!晶くんは私と寝たいって言ってたの!」


 「ウチと!」


 「私と!」


 暗くて見づらいが二人が立ち上がって取っ組み合いみたいのをしてる気がする。


 また山吹先輩から怒られそうで怖い。


 「この際どっちが上かデュエルで勝負しようじゃない私が勝ったら今日は私と晶くんで寝る!」


 「いいわよ!その代わりウチが勝ったら新庄はこっち向いて寝てもらうから!」


 「二人とも!静かにしてください!晶くんは仰向けで寝るのが好きなんです」


 そう言って山口は俺の体を仰向けにして。


 「それじゃもう寝てください」


 おい。


 「山口さん?重いんですけど」


 「女の子にそんな事言っちゃダメですよ」


 そうは言っても。


 この人何故か俺の上に乗っかってきてるんですけど。


 「ちょっと山口さん!晶くんが重そうにしてるじゃない!」


 「いえ、私は二人と違って軽い!ので掛け布団代わりになろうかなと」


 ……この人まだ胸の件引きずってるよ。


 まぁ確かに何処とは言わないけど軽いですからね。


 「あの……お腹つねるのやめて」


 「嫌です」


 もう諦めて寝よ。

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