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第八十一話

諸事情で昨日の夜投稿出来ませんでした。


今日二話分投稿します


 結論から言って俺たち一行はあのボロアパートに隠れる事となった。


 まさかまたここに戻る羽目になるとは。


 隣のマンションはもちろんもうカードキーが無いので入れない。


 野宿する訳にもいかないのでどうするか悩んでいたら白衣を着た山吹先輩の側近の一人が何故か俺と小鳥遊がこのアパートの鍵を持ってる事を知っていた。


 遠藤先生に住みてもいないしもしもの時に使ってと渡されていたが。


 まさかこんな風に役立つとは。


 俺の部屋には山口、柚木、小鳥遊が。


 小鳥遊の部屋には先輩たちが住んでる。


 そこは慣れ親しんだ人達でグループ組んだ方がいいからね。


 とりあえず俺たちは部屋の掃除、先輩達は食糧の調達に行ってくれてる。


 なんでも宛があるとかないとか。


 頼りになるね。


 今は俺と柚木で部屋の掃除中。


 小鳥遊と山口は近くの銭湯でお風呂に入ってる。


 こんな非常時にやってるの?って思ったけどまぁ全部無人で管理してるから普通に入れるみたい。


 さっき連絡も来たし。


 それにしても……。


 あんなに綺麗にしたのにまた埃だらけになってる。


 窓を全開に開けて部屋中の埃を外に出す。


 それにお腹減った。


 さっきまた柚木から飴玉貰ったけど全然腹の足しにならない。


 まぁ気は紛れるけどね。


 「はぁ……早くお風呂に入りたいねー晶くん」


 「そだね」


 俺は口の中の飴玉をコロコロ回す。


 「どっちに入る?男湯?女湯?」


 「ん?普通に男湯だけど?」


 何その質問?


 「オッケー!私も一回男湯に入ってみたかったんだよね〜」


 あ……察し。


 この人は俺と一緒に入ろうとしていることはわかった。


 もちろん俺も入りたい。


 けどそんなのモブキャラには許されない。


 それに小鳥遊と山口にバレればよくあるラノベ主人公みたいにボコボコにされるのは目に見えて分かる。


 なのでここはあえての選択。


 「そっかじゃあ俺は女湯に入ってみようかな」


 普通ラノベ主人公なら絶対こんな選択肢はしない。


 さらにこれで柚木とも入らずに済む。


 完璧だね。


 計画通り。


 ーーーー


 う〜ん。


 どうしてこうなった?


 山口と小鳥遊が帰ってきてから交代で俺と柚木が銭湯に入ることになったけど。


 今女湯で一緒に入ってる。


 もうこれじゃただ俺が女湯に入っただけじゃない?


 誰も居ないからいいんだけど。


 柚木も特に気にしてなさそうだし。


 ちょっと長湯してこ。


 それに女湯に入ってる背徳感も悪くない。


 まぁこう言うのって暖簾入れ替えてるだけなんだけどね。


 「晶くん、背中流して貰ってもいいかな?」


 「うん、普通にやだ」


 柚木がブーブー言ってるが無視。


 俺は天井を見上げる。


 湯気で視界が曇ってよく見えないね。


 露天風呂とかだったら夜は星空が見えたりするんだろうけど。


 「それにしてもお腹すいたね〜いつもなら山口さんの美味しいご飯を沢山食べてるのに」


 「だね」


 お腹空くからご飯の話はしないで欲しい。


 「こうやって普通に話してる分には特に変わり映えのない日常に感じるけど実際は学園内で凄いことが起きてるんだもんね」


 「うん、俺は女湯に入ってる時点で既に異常時だと思ってるけどね」


 それにしても柚木は本当にスタイル良いな。


 湯気が邪魔にも感じるけどむしろ創造力を湧き上がらせてくれてる気もする。


 「この間髪切りに行ったんだけっけ?」


 「うん、最近忘れがちだったからいつもより短めに切って貰ったの」


 「へ〜」


 全然気が付かなかった。


 俺はパッと洗って湯船に浸かってるが柚木は女の子だからなのか念入りに体を洗ってるみたい。


 俺はもう既に眠い。


 お腹も空いたけど。


 なんか入学したての頃を思い出すね。


 あの時はまだ一人だったっけ。


 まぁすぐに山口の家に寄生したんだけどね。


 それから色々あって今も変な事に巻き込まれて。


 すっごい眠い。


 多分今目を瞑ったらもうしばらくは起きない気がする。


 寝よ。


 「あれ?晶くん?お風呂で寝たらのぼせちゃうよ?お〜い、ねえってば」


 俺の視界はゆっくりと閉じていった。

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