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第八十話


 ひとまず脱出に成功した。


 今はコソコソと出来るだけ校舎から離れるように前住んでいたマンションに向かっている。


 あの一軒家は学校から近いからね。


 出来るだけ離れた方が安全だろうし。


 とりあえず偽名を使った件は変わった人だと解釈してもらい許してくれた。


 残りの一人は山吹先輩とその仲間のゴリラ達が倒したらしい。


 ゴリラ兄弟はちなみに体がめちゃでかい。


 多分俺とか簡単に腕折られる。


 身長って言うよりは体積が凄いんだよね。


 「ん?なんだ!?俺のことさっきからジロジロ見やがって!」


 怖い。


 「うっさいわね!新庄はもともとこう言う目つきなのよ!」


 こっちも怖い。


 「あ、晶くん……山吹先輩の事覚えてますか?」


 山口がこっそり耳打ちして来る。


 俺も山口の顔に近づき。


 「前なんか俺たちに絡んできたよね」


 「はい、それにショッピングモールで大谷くんと話しているところも見てます」


 ふ〜ん。


 察しのいい人は分かるんだろうけど俺には分からん。


 興味もないし。


 すると柚木が俺と山口の間に入ってくる。


 「それよりこの学園ってどうなってるの?なんかほとんどの教師とか生徒とか捕まってるみたいだけど」


 「目的が分からないですよね……ただこの学園は日本の中でもかなり政治絡みや経済にも関わっていますから……」


 確かに東京都24区は日本の中心と呼べるくらい規模を拡大してるってこの間テレビでもやってたね。


 もしかしたら他の大県がそれを面白くないと思って何か企んでるとか?


 そんな超ビッグイベントには関わりたくない。


 「最近よくテレビでやってるわよね、格差社会改善のデモ運動みたいなやつ……結構他人事だと思ってたんだけどもう身近なところまで来てたのね」


 真面目な話をしている柚木や山口に対し小鳥遊とゴリラ二人組は睨み合っていた。


 「体ばっか大きくて頭が空っぽなのよ!それにあんたらに過ぎててどっちがどっちだか見分けつかないじゃない!」


 「この女!ちょっと顔が良いってだけで調子に乗りやがって!誰からにでもチヤホヤされてたから世間を知らないみたいだな!」


 争いって同じレベルでしか起きないらしいよ。


 ってどっかで聞いたことある。


 俺は頭の後ろで腕を組む。


 「兎にも角にも仲間同士で喧嘩は辞めなさい」


 うんうん、疲れるだけだからね。


 「す、すみません、ですが!山吹さんに助けてもらったのにこいつらからは感謝の一つも感じられません!」


 「まぁ……そうね」


 山吹先輩が俺の方をチラッと見て来る。


 実はさっき口止めしておいたのだ。


 足止めしたお礼ならもうこれ以上目立ちたくないから余計なことは言わないで欲しいのと早く帰りたいって。


 そしたらオッケーしてもらえた。


 「て言うかウチ早くお風呂に入りたいんだけど!体洗いたいし髪の毛もスキンケアしないとだし!ゴリラみたいに暇じゃないのよね!」


 「なんだと!んっぐぐ!」


 喉まで出かかった言葉をなんとか食い止めてる。


 おおっ!あっちのゴリラはちゃんと躾がなってますね。


 対する小鳥遊は叱られても反省しないタイプだからね〜。


 「ん?なによ!えっと……新庄の顔に書いてある文字は……」


 ジト目でこちらを見てきたので一瞬で顔を逸らす。


 心を読むの辞めて欲しい。

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