不思議@6 だっすいしょうじょ~
彼と彼女の、かみ合うようで、かみ合わない会話。
こういうやり取りは、日常茶飯事です。
ある日、
いつものように、
洗濯機をまわしていました。
彼女は、
洗濯機で脱水される服に対して、
「脱水症状~」
と言っていって、喜んでいました。
それを聞いていた、彼は、
「症状じゃないじゃん」
と言いました。
そして、
彼は、「症状」とは、
なんたるかを語るのです。
「それによって、何か悪いことが起こる」
「洗濯の脱水は、それを目的にしているから、症状ではない」
というような内容を、言いました。
彼女は、反論を言います。
「服は、脱水によって、しわになるじゃん……」
……あぁ、
彼は、また何か言っているよ?
彼女は、彼の延々の講義を耳から耳に受け流す……
「あぁ、脱水少女って、おもしろくない?症状じゃなくて、少女ね」
彼女は、
彼の講義を遮り、
思いついたまま、
脈略無く言います。
「……どうぞ、なんか作品を作り上げてください」
「脱水していくのと、脱水されるのと、どっちがおもしろそう?」
「……まさか、真面目に、答えてくるとは思わなかったよ」
こうして、ネタノートに、新たな項目が出来上がるのです。
「だっすいしょうじょ~」と。
いつ、どこで、何が起きて、ネタが生まれるか分かりません。
何気ない会話に、ネタは隠れているのです。
(ここで彼女と彼がしている、何気ない日常的な会話が、
もともとおかしいモノだったのは、さておき……)