不思議@17 過去をうつす鏡。
ふと、水たまりを見ていたら……
「すべての鏡は、過去を写している!」
……という、結論になりました。
つまり、鏡に映っている姿は、同時に見えるけれど、
光の早さが早過ぎて、遅れているように見えないだけで、
考えてみると、厳密には、過去の映像なんですよね。
過去を映す鏡。
この表現は、あながち間違ってはいない事実なのけれど、
なんだか、この響き、この言葉によって、鏡が、別のものに感じた瞬間でした。
過去を映しだす鏡は、小学生か、中学生の頃、
どこかの科学系の展示物で、見たことがあります。
しかし、それは、なんだか、動きがぎこちなくて、
録画している感がたっぷりと感じられて、
不思議は不思議なんだけれど、イマイチ、物足りなかったことを覚えています。
本物の過去を映し出す鏡を見てみたい。
そこで、どのくらい離れれば、遅れて動く鏡を体験できるかなと考えてみます。
太陽と地球の間では、光が届くまでに、約8分かかるらしい。
つまり、地球に設置した鏡を太陽から見ることができれば……
数分遅れの自分の姿が、見ることが出来るだろう。
しかし、太陽は熱い。
それ以前に、鏡が溶けてしまうに違いない。
それじゃあ、月に鏡を。
地球から発せられた映像が月の鏡を反射して地球に戻ってくる光の往復時間を、
簡単に計算したら、2,5秒くらい。
(光は秒速約30万km、月は地球から約38万km)
月までの距離じゃ、ちょっと、違和感を感じる程度かもしれないけれども、
なんとなく、出来そう……
いや……考えてみれば、人間の視力じゃ、その鏡、見えないか……
むぅ、残念です。
生身の状態で、過去の鏡を体験するのは、難しいかもしれないけれど、
最近の映像技術の進歩は素晴らしいので、
もしかしたら、いつか見た、あの遅れて映し出される鏡は、
昔よりも、ずっと綺麗に録画できて、途切れなく映像が映し出せる機械……
鏡に、なっているのだろうか?
過去の鏡の疑似体験は出来るのだろうか?
科学館なんかで、気軽に体験できるようになる日が来る。
来て欲しい不思議な体験できるそのような場所。
光の速さ、宇宙の広さ、時間と空間の不思議に、心躍る場所。
今は、まだ、鏡や、水たまりから、想像で認識する、
微かな時間のズレしか分からないけれど、確かにある、不思議。
水面に物の影がうつって見える水鏡。
水たまりに映る景色は、過去の記憶。
覗き込むと、過去が見える水鏡。
もしも、見ることが出来たのならば、映し出された過去は、どんな色なんだろう?