不思議@13 冷たい空気と暖かな空気は、入り混じる。
息を吐けば、白い色。
凍えるような、刺すような、風。
じぃ~ん、と耳が痛くなる。
そんな外から帰れば、
部屋は、暖房で温かく、
こたつは、ぬくぬく眠くなる冬。
幼い頃は、
石油ストーブを炊いている部屋の戸を開けっ放しにすると、
いつも決まって、親に言われたことがあります。
親のしつけ(?)で、冬場に、部屋の戸を開けっ放しにしていると、
アレが起こると、(早く眠らないと、おばけが来るよ的な)
恐ろしいことを言われたから、
それが怖かったものです。
今回は、その恐ろしいアレの話。
自分の故郷は東北で、
その東北の冬は、寒さが厳しい。
暖房をつけていない部屋の扉の外は、
床も氷のように冷たくなるそんな冬。
そんな寒い冬の日、ストーブを点けている時に、
部屋の戸を開けっぱなしにしていると、
アレが起こる。
暖かい部屋に、外の冷たい空気が入る、
その温かい上昇の気流と、寒い下降の気流が入り混じり、
空間をねじ曲げる!
そして、天井と床が逆になり、
今いる部屋と隣の部屋とが、混ざりあって、
壁紙は、白と黒の渦巻き模様になって、
その世界から出られなくなる……
(ぐちゃぐちゃになることよりも、
出られなくなる事、閉じ込められる事が、
子供心に、怖かったものです)
そんな、恐ろしい現象が生まれてしまうので、
だから、扉の開けっ放しは、よくないのですよと、
言われました。
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ、
そんな熱と空気の重さ、動きの不思議と共に、
空気の渦の巻く空間の科学と幻想の入り混じった、
なんだか異世界を、身近に感じたものです。
似たような話を、もうひとつ。
夏休み。父の実家へ遊びに行った時。近くの川で遊んでいたけれど、
深くて、流れのはやいところへ行くと、
おぼれて、底に沈んで、化石になっちゃうから、行っちゃダメだよと、
言われたような気がする。
土の中に閉じ込められて化石になるのは、嫌でした。
ちなみに、その河原から少し歩いていった先にある場所では、
探せば、貝の化石が見つけられたような記憶があります。
そんな、科学半分、幻想半分の世界を構築していった子供時代。