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第10話 伸一の日常
『おにいー!メロンパン食べるー?』
紗季が呼んでいる。
「じゃ、1個もらおうかな。あとで食べるから置いといてくれ」
『すぐに食べないと、なくなるよ~』
「紗季、もう2個食べたじゃないか!」
『2個じゃないもん。3個だよ♪』
「ぐぬぬ」
さっき買ってきたばかりだというのに、もうそんな食べたのか。まったく紗季は食いしん坊だな。
にしても、こうやってゆったりすごすのもいいかもな。
今月のベーシックも明日入るし、また買ってくるか。
『おにい、ほら、なくなるよ!』
「だから、それは俺のだって!」
まったく、しょうがないなぁ。
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こうして、ベーシックで、みんな一応生活はできるようになった。
そのおかげで、お金に不安を感じずに生活できるようになるし、
お金につながるかわからない仕事を選ぶこともできるようになった。
ただ、一方で、企業が雇う義務はいっそうなくなり、
本当に一部の売り上げを上げられる能力が高い人のみが稼ぎ、
その他の多くの一般の人々には仕事がないという時代になる。
こうして仕事は座ってて与えられるものではなく、
自分で自発的に育てていくものになった。
誰かがつくったものを消費する消費者になるのか、
自分で新しい価値あるものをつくれる生産者になるのか。
選ぶ時代になった。




