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透明の「扉」を開けて  作者: 美黎
5の扉 ラピスグラウンド
14/1937

お風呂タイム


はぁーーーーーー気持ちいい………。



ゆっくりとお湯に浸かり、ついつい声が出る。


2日ぶりのお風呂だ。

いや、ティレニア含めると3日ぶり?


無理無理、良かったよぉ~ちゃんとお風呂に入れる世界で!!!


私は、趣味は多い方だと思う。

友達は多くないけど。狭く、深くタイプだ。

それは置いといて、本を読むのが好きで小さい頃から沢山読んでいる。


小学校くらいでよく読んでいたのは、ファンタジー系や推理物系。

お姫様が出てくるやつとかも好きだ。

勿論、マンガも好きで異世界ラブファンタジー的な物なんか、大好物だ。


実際はラブのラの字も無いけどね………。


勿論、自分がその世界に行く事を想像する事もある。いいよね、冒険。

でも私は潔癖の気があるので(許せる部分と許せない部分で差は激しいけど)実際異世界に行ったら困るだろうな…と行く事はないだろうと思いつつ、冷静に考えた事もあるのだ。


そう、お風呂とかね………。


まず、お風呂があるか、無いか。

それ、女子的には最大の関心事と言っても過言では無いよね?ね??



幸いな事に、こちらのお風呂はそう悪くなかった。


湯船は石で出来ていて、外国のお風呂のように湯船で体を洗うスタイルらしい。

お湯を溜めていたら、ティラナに目を丸くされたが久しぶりのお風呂でお湯を張らないなんて、それはだいぶクレームだ。(どこに。)


勿論シャワーは無い。

洗い場もないけど排水口はあるので、湯船の外で体を洗い、お湯が飛ばない様、気をつけて身体を流す。


今度カーテン付けていいか、訊こ。


そうして湯船に、ゆっくり浸かった。


ああ~、極楽………。


歌の一つも出そうだけど、怪しいので我慢する。慣れたら、歌っちゃうかもね。


勿論、お風呂にもまじない石が使われている。


簡単な蛇口みたいなものがあって、そこに嵌っている石を触ると水が出る。

まじない力が弱いと、水しか出せないらしい。

火の石もあると、お湯になるのだそうだ。


ちなみに力が強いと、水でもお湯に出来るみたい。試してみたら、出来たからだ。

私のまじない力がどんなもんかは知らないが、多分気焔の所為じゃないかと思う。

まじない力を測れるものがあるのなら、試してみたい所だ。


ここには水の石しか無くて、普段2人が使っている1階のお風呂には、ティラナも使えるように火の石もあるらしい。

ちなみに子供でもまじない力によって、水も出ない子から火も使える子など差がある様だ。

ティラナはそこそこ力が強いらしくて、ぬるいお湯なら出せるみたい。


そんなこんなで木でできた桶でお湯を汲んで体を洗い、髪を洗い、湯船に浸かっている。


まじないで水が出るなんて、水道代気にしなくて良くない??


いつもみんなと違う時間にお風呂に入ったり、夏に何回かシャワーを浴びてお母さんに小言を言われている身としては、「まじない石サイコー!」である。


気になる石鹸も完備されていた。凄く嬉しいポイントだ。

さすがにシャンプーとリンスは無いけど、私はアトピーで小さい頃からお母さんは石鹸を手作りしていたから、石鹸には慣れている。

髪も石鹸で洗っていたのだ。

今は市販のシャンプーとリンスを使っているが、昔はお酢を利用したリンスもしていた。

お酢があれば、リンスも作れる筈だ。

ちょっとギシギシするけど、洗えないよりは全然いい。

匂いが油くさいけどね…。



家での石鹸作りは私も手伝っていた。というか、最近はやらされている。

コールドプロセス製法という作り方で地味~に混ぜながら作るので、手が離せない時間が長く、結構面倒だからだ。

でもこっちでは薬品が無いだろうから、昔ながらの作り方で油が臭いんだろうな………。

どうやって作るんだっけな………。


薬品なしの作り方を考えながら、のんびりしていたらちょっとのぼせそうになって危なかった…。




タオルって、偉大。


普通の布で身体を拭きながら、思う。

普段からかなり贅沢してるんだなぁ、日本人って、と感じつつ鏡の前に立つと、久しぶりに自分の顔をちゃんと見た。


「結構、イケてる……………。」


誰も聞いてないから、いいよね………。


変化した色を見ながら1人呟いていると、朝が浴室のドアの前でため息をついている。


いたわ、1人。

まぁ、朝だから、いっか。


以前はたまに「ハーフ?」と聞かれる事があるくらいの私の顔は、普通に整っている方だと思う。

それが、この世界に来てから、というか扉に入るようになってから少し顔つきが変わった様な気がする。

分かりやすく言うと、少し大人びた感じが近いかな…。


それにブルーグレーのキラキラした髪と同じような、でも少し青が濃い瞳。鏡の中で動いてみるけど、なんだか自分じゃ無いみたいだ。

同時に何となく懐かしさの様なものも覚えて、首をひねる。


なんだろう、この感覚は。



「乾燥してるな………。」


ほっぺたを両手で包みながら、化粧水が要るな…と思い付き、ティラナに訊いてみようと心の中にメモをした。



これ、喫緊の課題だよ。めっちゃ乾燥する。


無かったら、作らなきゃね。






お風呂入っちゃいました。

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