第四話「煙を切り裂け」
遂に始まるHYDE VS TERU
果たしてその結末はーーー?
ーー白川家屋敷ーーー
一匹の鳥が窓が開いている部屋へと入っていった。
鳥「Pi,Pi,Pi,Pi」
白川明美「お帰り、ディアンヌ。監視任務ご苦労様。」
と言い、ディアンヌと呼ばれた鳥型ロボットを机に置いた。
そして、目の前に立つ男に向かって言った。
明美「今、ディアンヌから送られた映像を見たのが真実です。古田電機の研究していること、そして彼らが要するHeaven`s Breakerの復活、そして一般人を平気で虐殺し隠蔽した。もはや彼らは人間ではない。彼らは悪魔です。彼らは排除しなければならない。そこで、、んっ、TERUどうしました?震えて。古田のHeaven`s Breakerを見ておじけづきましたか?あなたらしくないわね。」
と言い、明美はくすっと笑った。
するとTERUは、
TERU「そんなことあるわけないだろ。おれはいつも冷静だ。」
と言い、舌打ちした。
明美「はいはい、強情ね。いつも通りで安心したわ。」
TERU「ふんっ、つまらないたわごとはいいから早く続きを話せ。」
明美「はいはい、わかりました。では続きを話すわね。」
とクスリと笑い、顔が真剣な顔になり、正面を向いた。
明美「では続けます。そこでTERU、あなたに今から任務を与えます。今から古田電機のオフィスに侵入し、古田電機のHeaven`s Breakerの排除、そして上層部の人間を生きたまま拘束してください。拘束した上層部の人間への対処、並びに古田電機が一般人に対して行ったことは私たちのほうで対処します。あなたは与えられた任務だけ実行してください。また何か新たな秘匿情報を見つけたら、逐次報告を。何か他に聞くことはありますか?」
と聞くと、TERUは首を横に振った。
明美「ないみたいですね。では任務を遂行して下さい。怪我には気をつけてください。成功を祈ります。」
とほほ笑んで言った。
そしてTERUは静かに部屋から去っていった。
------古田電機特別研究室ーーーー
古田重吾「そうか、全員片付けたか。よくやった。引き続き監視を頼む。」
HYDEはうなずき、部屋を出て行った。
古田重吾「さて、回収した馬鹿どもの死体を例の研究に使わなくてはな。」
古田重吾「これが出来れば、あのお方も喜ばれる。私も出世間違いなしだ。」
古田重吾「そうすれば、この会社も世界も私の物だ。ハハハハハ‼」
黒い影「果たしてそうかな?お前の野望も終わりだ。」
と暗闇から黒い影が現れた。
古田重吾「お、お前は白川の、、どうやって入った。この研究室に入るには厳重なセキュリティーを通らないと入れないのに、、おいっHYDE。」
するとHYDEが現れ、TERUを一瞬で煙で縛った。
古田重吾「一回倒したのに、どうして生きているんだって顔をしているな。」
古田重吾「わが社の技術をもってすれば瀕死の人間くらいなら軽く治せる。」
古田重吾「HYDE、そいつを始末しろ。終わったら私に報告をくれ。私は行かなければならないところがあるのでな。やれ。」
HYDE「了解。」
と言うと、古田重吾は研究室から出て行った。
HYDEは拘束したTERUを見ながら、
HYDE「ふっ、この煙の縄は前の時より、更に強固になっている。貴様を締め付け、真っ二つにしてやる。」
と言い放ち、どんどん煙の縄でTERUを縛っていった。
TERTU(くっ、このままではおれはやられる。どうすれば、、そうだ。あれをすれば切り抜けられるはず!)
するとTERUはニヤリと笑いながら、
TERU「観念しろ、煙野郎。おまえのその変な鎧を破壊してやる。」
と言った。
HYDEはそれを聞いて、笑いながら
HYDE「頭でもおかしくなったか。あぁ?俺のこのスーツを破壊することは不可能だ。お前の電気でもな‼」
TERU「それはどうかな?」
と言うと、TERUは自分を縛っている煙の縄から電気を流しHYDEの体に送った。
すると
HYDE「いくら攻撃しても無駄だ‼このスーツは電気を通さな、、、ぎゃああああああ‼」
HYDEは体全体に高電圧を浴びてしまった。
瞬く間にスーツが故障してしまい、HYDEは息だえた。
TERU「雑魚が。」
TERU「自分から死にに来るようなことを選びやがって。」
TERUは研究室を出て、部屋から出ようとした。
しかし、
TERU「⁉」
自分の周りを突然煙が包み込んでいる。
TERUは後ろを振り返ると
HYDE「まだだ。まだやれる。お前をここで倒すまではな。」
とスーツが火花を放ちながらも何とか立ち上がった。
TERU「いい加減負けを認めろ。その恰好では戦えないだろ。」
するとHYDEはTERUに向かって、煙の刃を投げた。
その刃はTERUの顔の横を通り過ぎていった。TERUの頬をかすめて。
HYDEは煙の刃を次々とTERUに目掛けて投げていった。
HYDE「この刃は煙が強度にコーティングされたものだ。鉄でも切断可能だ。」
TERUは多くの煙の刃をなんとか回避し、間合いを詰めていった。
HYDE「かかったな‼」
HYDE「今だ‼」
TERUがHYDEに詰め寄った瞬間、全身を煙で覆われてしまった。
TERU「!?」
一瞬で煙の厚い壁に覆われてしまい、閉じ込められてしまった。
HYDE「ははははは!!お前が近づくのを待っていたんだ。近くにいたほうがすぐ囲みやすいからな!!」
TERU「、、、、、、」
HYDE「成す術なしって感じだな。ここがお前の死に場所だ。恨むならお前の雇い主を恨むんだな!死ね!!」
すると煙のドームがどんどん小さくなっていった。
TERU「そろそろだな。」
HYDE「何っ!?」
TERU「お前のクソスーツに仕込んでたんだよ。スーツの機能を完全停止できるような仕組みをな。」
HYDE「何を馬鹿なことを言ってる?俺を動揺させて、隙を狙って、俺を倒すつもりだな!そんなことしても無駄だぞ。俺はそんなことではやられるやつではないぜ。」
TERU「スーツのメインデバイスを見てみろ。」
HYDE「何を馬鹿な、、、、、!?ケーブルが、、、、切れて、、、、えっっ!?メインデバイスがショートしている!?これでは煙があっっ!?どんどんスーツの中に戻り、、、ドームが、、薄くなっていく!」
TERUを覆っていたドームはどんどん薄くなっていき、煙はHYDEのスーツの中に入っていき、HYDEは一酸化炭素中毒に陥っていた。
HYDE「うぉぉぉぉぉ。あぁぁぁぁ。苦しいぃ!たすけてくれぇ!」
HYDEはたまらず頭の鎧を取り、辺りを這いつくばっていた。
そんな中TERUは煙のドームから脱出し、這いつくばっているHYDEの目の前に立った。
HYDE「助けてくれぇ。お前に有益な情報を教えるから、たすけてくれぇ。」
とTERUの足元で命乞いをした。
しかし、
TERU「お前は、、ここで終わりだ。」
と言い、TERUは生命維持装置のデバイスを完璧にショートさせた。
HYDE「あぁぁ、、、、」
と声を発し、完全にHYDEは息絶えた。
TERU「さて。」
と振り返り、TERUは研究室を出て行った。
ーーーーー第四話完ーーーーーー
第五話に続く
第五話では、古田電機の機密情報が色々と明かされていきます。
お楽しみに。
藤沢 修介