テトラシティ
時を同じくアメリカミズーリ州人口15万人の街テトラシティ
BHB北アメリカ第2支部アルファ小隊は斥候部隊としてBH発生報告のあったこの街に降り立ち、テトラシティと他の街を繋ぐ唯一の道、
国道254線に拠点を作り、街の捜索を始めようとしていた
「A2、A3は準備が整い次第出発せよ!また被害者は見つけ次第保護せよ、最優先事項だ!また今回のBHは空気感染の可能性を否定している、マスクの着用は各々の判断に任せる」
「マクス着けなくていいらしいぜ!」
「ソイツは儲けたな、ありゃ息苦しくて敵わん…好んでつける奴なんていねぇだろ!」
「我々A1は此処を拠点として維持に努める…くれぐれも油断しないように!」
A小隊隊長 ロペス・マニーニがA小隊の面々に向かい指示を出す
「各員事前に決めたルートに沿い出撃!A2はこのまま直進して街のメイン通りへ、A3は分隊を2つに分け東西から挟み込むように索敵!何かあれば直ぐに知らせろ、衛星監視ドローンも各隊1つずつ持ってけ」
「今回のBHはランク6だ!確実に任務を全うしろよ!」
BHランク(バイオハザードランク)は、起こっているBHを1~11の11段階でランク付けした国連推奨BH危険度評価制度である
ランク1~3は、重火器の使用を禁止とする比較的軽いBHで生命の危機はほぼゼロとしている
ランク4、5は中程度のBHで、生命の危険も1~3に比べ格段に高くなるが、重火器の装備も許可され、発砲、爆撃のコンピューター制御も殆ど解除される
ランク6~9は大規模なBHで推定被害者1万人以上、又は空気感染のリスクが高くマクス着用が義務づけられている場合には、このランクに自動的に設定される
ランク10はBHB一個小隊が全滅しうる生物的脅威がある場合や、中程度の大きさの国が滅ぶレベルのBHだ
BHBの歴史でもバイオテロを除いたBHでランク10に達したのは1度しかない
ランク11は強大な国や世界が滅びうるレベルのBH
このレベルには汚染地域の核洗浄も許可されている
今回のテトラシティのBHの発端は警察に掛かってきたある一本の電話であった
「昼食を食べた妻が暴れだし、とてもじゃないが手がつけられない」
警察と消防が駆け付け、女性は病院へと搬送されたが、被害はこれだけに留まらなかった
その電話を皮切りに、警察と消防へと同じ症状を起こした人がいるとの電話は鳴り止まなくなり、
地元警察と消防ではとても対応出来なくなり州軍も駆け付け事態の鎮静化に尽力した
被害者達の家族や友人の証言から、ある共通点が直ぐに反面した
「ワクドバーガーのハンバーガー食べていたら」
「さっきまでワック食べてたんだけど…」
「ワクドバーガー食べてました…」
被害者達はその日の朝又は昼にワクドバーガーのハンバーガーを食べていたのだ