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レベル1の時点で異世界最強  作者: ろーたす
来るべき日はすぐそこに
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第74話 海に来たけど彼女は泳げないらしい

「じゃじゃーん!どう?ディーネちゃんの水着モードだよ!」

「あまりジロジロ見ないでくれる?あ、タローは何時間でもじっくり見てくれていいからね」

「おお、おおお・・・!」


俺と一緒に足裏が切れないよう貝殻を集めていたハスターが、突然興奮気味に立ち上がる。


まずやって来たのは、魔界の美少女二人組。

白い三角ビキニを身に付けているのは、背はそれ程高くはないが、テミスと同等の大きさを誇る胸を持つディーネ。


そして、少し恥ずかしそうにディーネの後ろから顔を出したのは、青いパンツタイプのビキニを身に付けた、魔王少女ベルゼブブである。


「ま、魔王様、とても似合っています!」

「二人共可愛いぜ。なー、タロー」


テラがニヤニヤしながらこっちを見てくる。

残念だったな、テラ。俺は別に、そういう事を言う時に、いちいち躊躇ったりする男ではないのだ。


「おう、超可愛い」

「やーん、そんなことないよー」

「そ、そうかしら。ふふ、ふふふ・・・」


そんな事を言ってたら、ラスティとマナに手を引っ張られながらテミスが走ってきた。


ラスティは黒いヒラヒラのホルタービキニ、マナは可愛らしい黄色の子供用水着姿。


そして、我らが女神テミスは────


「ごめんねぇタローくん。テミっちゃん、傷が残ってるからビキニは無理だって。でも、可愛いでしょ?」

「ら、ラスティ、引っ張るな・・・!」

「タンキニ・・・!!」


水色の、模様入りのタンキニを身に付けていた。クールな印象の彼女が、こんな可愛らしい水着を持ってくるとは。


これがギャップ萌えってやつなのか・・・?


「おいタロー、鼻血出てるぞ」

「おう、ありがとう」


アレクシスから渡されたタオルで鼻を押さえる。生きててよかった・・・心からそう思ってるよ、俺。


「ふあぁ、眠い。あ、別に今から何してもいいからな。間違って死なないように気をつけろよ。以上」


大丈夫かと言いながら、心配そうに近付いてきたテミスを見て更に鼻血が溢れ出してきたんだけど、その最中にソンノさんが俺の頭の上に顎を乗せてそんな事を言った。


振り向けば、まさかのラッシュガードソンノさんがすぐ後ろに。なんつーか、本当に子供みたいでちょっと可愛い。


「それじゃあ早速スイカ割りだー!」

「おー!」

「いくぜヴェント!男と男のガチンコ勝負だ!」

「海の底に沈めてくれる・・・!」

「おーっし、おっさんもスイカ割りにまじろーっと」

「ねえねえベルゼブブおねーちゃん、いっしょにおよごー!」

「な、何よそのキラキラした目は」

「私はアレクシスを海の上に転移させて、戻ってきたらまた海に落とすゲームでもして時間を潰すか」

「何を言ってるんですか!?身体を休める目的で来たのに何その鬼トレーニング!!」


それぞれが海に入っていったりスイカ割りを始めたりする中、ようやく鼻血が止まった俺も立ち上がる。


「じゃ、俺達も遊ぶか」

「え、いや、私は・・・」

「どした?」

「その、ええと・・・」


日陰に座り込んでもじもじしてるテミス。水着で傷跡は隠せてるから大丈夫かと思ったけど、どうしたんだろ。


「何かあったのか?困ってるのなら、何でも言ってくれよ?」

「お、泳ぐのが・・・」

「ん?」

「泳ぐのが、苦手で・・・」

「・・・」

「・・・」


もうね、可愛すぎですって。















△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼














「魔界に向かっている最中、海に落ちた時は本当に死ぬかと思ったんだ。何度か川などで練習はしたんだけど、なかなか上達しなくて───ひっ!?は、離さないで・・・!」

「だ、大丈夫大丈夫。ここ浅いことだから」


なーんか、テミスって結構ポンコツなとこが多いよなぁ。別に立てば足つくんだけど、さっきから怖がって俺から離れようとしない。


「ふふん、情けないわねテミス・シルヴァ。まさか泳ぐこともできないなんて」

「うぅ、仕方ないだろう・・・?」

「全然泳いだことがない私の方が上手じゃないの。ほら、見なさい。これが魔王ベルゼブブ様の華麗なクロールぅぅ!?痛い痛い!足攣った・・・!!」

「ちょ、大丈夫か!?」


溺れかけてたベルゼブブを救出する。

そんな彼女を見て、俺の腕にしがみついてるテミスが必死に笑いを堪えてるのはなんか面白かった。


けど。


「ひゃあっ!?」


急にテミスが悲鳴を上げる。

何事かと思って海の中を見れば、テミスのお尻に顔面を押し当てている、緑色のワカメみたいな髪を生やした男が────


「ぶあっ、なんだ!?泳いでいたら急にとてつもなく柔らかいものが顔面に!まさか、海を泳ぐ新種のスライムか!?」


浮上してきたヴェントがそんな事を言う。


「・・・おい野菜。何してたんだ?」

「え、サトーか。テラとどっちが速く沖まで泳げるか勝負していたんだけど、帰りは海の底を泳いで帰ってきてね。はは、テラのやつ、大口叩いた割には超遅いんだよ」

「お、落ち着けタロー!今の話を聞いた限り、わざとぶつかってきたわけじゃなさそうだから・・・!」


ヴェントの髪の毛を全部引っこ抜こうとした俺を、泳ぐことができないテミスが必死に止めてくる。


「そ、そろそろ一度海から出よう!向こうでスイカ割りをしているみたいだから、私もやってみたいんだ!」

「むむ、そうだな」


ヴェントを遠くに放り投げてから、テミスを抱えて海から上がる。やばい、いろいろ柔らかい・・・!



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