表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花舞う星の雪遊び  作者: 羽黒楓


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/41

38. 古風ね

「あいつさー、星多に告白されてから、変わったのよね」

「そう、なのか?」

「そうなのよ」


 昼休み、星多は愛想美と二人向かい合わせで弁当を広げていた。

 きっと上の階の三年生のクラスでは、凛々花とツナも同じように弁当をつついているだろう。

 今日の弁当当番はツナだったので、なかなかうまい。

 明日は凛々花がつくる予定だ、心しておこう。


「ツナってさー、まじですさんでいて、氷みたいな奴だったじゃない? なんかもう、この世に自分を必要としている人間なんていないんだーって感じでさ。みんな滅んじゃえー、みたいな。私もいろいろ仲良くしようとしてたけど、心開かなくてさ。もう、首にしてくれとばかりにさ、ばあちゃんの目の前でわざとあたしに暴力振るったりして。あれ、自分から破滅しようとしてたのよきっと。それがよ、あんたごときに告白されただけで、こう、なんていうか、次の日から、表情が違うのよね」

「そうなんか」

「うん。なんかね、こう、なんていうの、だんだん冗談とかいうようになって、暴力もきっぱりなくなって。嬉しかったんじゃないかなあ、たぶん。ものすごく。きっと他人に好きだって言われたの、生まれて初めてだったんだよ」

「嬉しかったならOKしてくれればよかったのに」


 悔しそうに星多が言うと、愛想美は、


「嬉しいのとあんたとつきあってもいいのとは別だしね。嬉しかったけどあんたと付き合うのは嫌だったんじゃない?」と正論を吐く。


 ぐうの音も出ない。まったく、実に憎たらしいことを言う義妹だ。


「ツナの中でなにがあったかは知らないんだけどさ。そりゃ、少しは予想はできるけど。あんたに告白されてから性格がどんどん明るくなってさ。あたしも最初は年上だからユキさんって呼んでたけど、ほんとに仲良くなってツナって言うようになったの、あの頃よ」

「なるほどなあ。フラれてからはユキさんの話、なるべくお前に訊かないようにしてたから知らなかったぜ。まあ、ニックネームなんてその時その時でかわるからいいけど」


 愛想美は昆布巻きにかじりつき、


「でもまだユキさんって呼ぶ人もいるよ、ほとんど古参だけど」

「へえ、そうなのか。それより、ユキさん――ツナさんが高校に通う気になってくれて嬉しいよ俺は」

「あたしも良かったと思う。で、どうすんの。ばあちゃん、一応前言撤回して、本人の許可なくして襲うことまかりならん、っていってたけど、あれってさ、……本人がいいなら別に襲ってもいいよ、ってことだよね? 誰か、襲うの? ツナも、凛々花先輩も、今なら、わりとOKだと思うけど」

「いいや、そんなことはしねえよ」


 星多はきっぱり言う。


「決めたんだ、絶対そんなことしない。俺のプライドの問題もあるしな。そうだな、俺が一人前になったら、そのとき改めて告白するよ。今は、勉強だ」


 ふふん、と愛想美は笑って、「古風ね」と言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきましてありがとうございます。
もしもお気に召したならば 評価ブックマーク感想 をいただけると嬉しいです。





小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ