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17. 私、ヤリました
変なこと言っちゃったな、と凛々花は後悔していた。
凛々花の部屋の中は殺風景で、ベッドと着替えのほかに何もない。
ベッドによりかかるようにして座り、ガランとした室内に視線を這わせる。
なにも、あんなに力強く宣言しなくても良かった。
っていうか、もしほんとに私が星多くんとアレをコレしてそんなことになったら、ええと、それを奥様に報告すればいいのかな?
私、ヤリましたって? だからお金下さいって?
……そんなの、私言える?
いや、その前に、星多くんと……その、アレできる?
無理無理、お金の為にそんなことするなんて無理、と頭の中で自分の声が響く。
だけど、同時に妹の声も聞こえてきて。
「お姉ちゃん、ピアノ弾くのってすごく楽しいの!」
そしたらなんか力がわいてきた。
私は、ヤる、ヤッてやる!
自らを奮い立たせるように、凛々花は拳を握るのだった。
今回短くてすみません……。
ただ、一ページの中に視点人物混在させたくなかったので……。