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会話同好会  作者: 太郎
高校2年生
9/56

4月

 

「まっさか。この僕が留年するとはねー」


「留年する兆候は結構見えてましたから『まさか』ではなくって『やっぱり』ですよ」


「ま、でも僕は気にしなーい」


「先輩のそのポジティブシンキングは羨ましいですよ」


「だって、後輩ちゃんと同じ学年で一緒に卒業できるってことでしょ?最高じゃん」


「まさか、狙ってたんですか」


「んーん。追試でも赤点取ってたら先生に『…取り合えず2年生をもう1度すれば勉強も出来るようになるよな』って、言われて」


「それはさじを投げられたと言います」


「さじを投げてどうするんだよー」


「意味が分かってない様ですので今の話題はなかったことにします」


「ななっ!?分かるし。分かってて言わないだけだしー!」


「それは子供がよく使う言葉です。先輩は子供ですか?」


「子供だったら後輩ちゃんのお膝でゴロゴロしても怒られないよね?」


「勿論。怒ります。…そういえば先輩はもう、先輩じゃないですよね?」


「ん?先輩じゃん」


「だって、同じ学年ですよ。その中で先輩呼びするのは変じゃないですか」


「じゃあ、僕のことを名前で呼んでくれるの?」


「そもそも先輩の名前を知りません」


「ガガーン!ショックだよ!」


「なら先輩は私の名前を知っているんですか?」


「んー…カナコちゃん」


「全く違います。私の名前覚えてないってことですか」


「そんな悲しそうな顔しないで。ちゃんと後輩ちゃんの名前覚えるから、ね?」


「悲しそうな顔を勘違いしてませんか。私は無表情ですよ」


「後輩ちゃんは基本無表情じゃん。たまぁーに、表情筋が動いて笑ってるのかなー?とか怒ってるのかなー?って分かるから」


「……付き合い短いのに私のクセを理解した気ですか。腹立たしい」


「えー。格好いいこと言ったと思ったのに響いてないのー」


「格好いいことは狙って言うのではありません」


「むむぅ」


「ふてくされても無駄です。それではお先に失礼します」


「え、何で?まだ定時じゃないよ?」


「先輩は自分の立場を理解してますか。勉強すべきですよ」


「えー、面倒だけど…じゃあ。またねー」


「お先に失礼します」






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