3月
「レッツシェアポッギィィィィィィィィィィィィィ!!!?」
「……うるさいですよ」
「僕だって後輩ちゃんが扉を閉めなければうるさくしなかったよ!?扉に手が挟まらなかったらうるさくしなかったよ!?」
「挟んで失敗でしたね。どちらにしようとうるさいです」
「故意だったの!?」
「必然です」
「格好よく言われても!先週はあんなにも距離を縮め合ったというのに、酷い対応だよ!」
「私と、ではなくてストーブと、でしょう。凍傷寸前で会話するどころじゃなかったはずですけど」
「大雪警報の中、雪山を駆け抜けた挙げ句外で待ちぼうけを食らってればそりゃしもやけになるよ。じゃなくて、今日はインターホン越しじゃないんだね」
「二週間振りですからね。仕方がないから、開けたまでです。でももう十分ですので閉めます」
「気の変わりが早いなぁ、もう。今日はポッキーの日だから来たって言うのに。これじゃあ、ポッキーゲームが出来ないじゃないか」
「それで冒頭に繋がる訳ですね。生憎、もうここから動く気はありません。寒いのは嫌です」
「ポッキーゲームが嫌という訳じゃないんだね。了解した。なら、何としてでも後輩ちゃんの元へ行くよ」
「因みに、この会話は両親に聞かれているモノとして考えてから発語してくださいね。自分の首を絞めてますよ」
「お父様、お母様。結婚を前提にお付き合いさせていただいてます。娘さんをください」
「冗談ですから。とんでもない嘘をつかないでください。想像するだけで恐ろしい」
「んー。聞き捨てならない」
「ところで、何故ポッキーなんですか?今は三月ですよ?」
「今日は11月11日じゃないか。yes、ポッキーデイ」
「……三月ですよね?」
「物語上はね。でも、現実じゃ11月11日。まあ、細かいところは気にしないことだ。どうせネタ切れだろうし、僕らには意味がないよ」
「はぁ」
「ってことで、ポッキーゲームをしようじゃないか」
「11月11日だから、ポッキーというのもまた不思議な洗脳ですね。他にも棒状のモノはありますからね」
「棒状のモノ……ごくり。後輩ちゃんはナニを想像したのかな?先輩に教えてごらん」
「……?うどんですけど」
「何で!?そこは(ピー)でしょ!恥じらいながら(ピー)って言うところでしょ!!ほら、(ピー)って!!」
「死んでください」
「ウソウソウソ、冗談。嘘ピョン。ちょっと切らないでね?」
「下ネタを連呼する変態が私の家の前にいるのは、汚名を被らされてるも同然です。死んでください」
「わー、ちょっとした男心がぁぁぁあ」
「それでは、もう気が済みましたか?」
「んー、まあまあだけどね」
「この辺で」
「名残惜しいけど。……またねー」




