1月
「うぇーい。二週間ぶりの僕ちんだよー」
「きゃー。変態ー。通報しますー」
「引く程棒読みなのに、ナチュラルに携帯を操作しないで!?うわあ!!若干見えた画面に、110って表示されてたよ!!」
「よく見えましたね。大正解です」
「ううー。そんなに苛めると受験失敗するぞー。良いのかい?」
「先輩が受かろうと落ちようと私が受かっている事には変わりないですし、どちらでも良いですよ」
「もっと惜しんでよー。僕がいないと寂しくて死んじゃうって……ん?受かってる?受かってるってどういうこと!??」
「言葉の通りですよ。志望大学に合格しました。今年の四月からは医大生となります」
「うわー!!おめでとう!!やったね!!良かったねぇぇうえぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「……ありがとうございます。泣かないで良いですよ」
「だって、だって。後輩ちゃんが受かったのが、嬉しくってえぇぇ……」
「先輩が受かった訳でもないのに、よくもまあギャン泣きできますね。それが先輩の個性でもありますけど」
「ずっとずっと行きたい大学に行けたんだもん……ぐすっ。じゃあ、僕も絶対に合格しないとね!!」
「そうですね」
「あ、でもこれで浪人生になったとしても後輩ちゃんが毎日勉強を教えてくれるかもしれない!!あとあと、後輩ちゃんが僕の事を後輩くんって読んでくれるかもしれない!!どうしよう、これなら落ちても良い!!」
「相変わらずの屑加減で、むしろ落ち着きますね」
「ああ!!でも、後輩ちゃんが僕の知らない場所で僕の知らない男に微笑みかけてるかと思うと、相手をメタメタにしたくなる!!」
「先輩にも微笑みかけませんけどね」
「それなら心配ないね!!」
「ところで、センターの調子はどうですか?」
「っあー。聞いちゃう?ずーっと、それについて触れなかったんだけど聞いちゃうの?」
「そのニヤニヤがどちらの意味か分からなくて怖いんですけど、一応聞いてあげますよ」
「満点」
「百点満点中三点ですか?」
「満点」
「お疲れ様でした」
「聞こえてる!?自己採点したら満点だったって言ってるんだよ!?」
「それは答え自体間違ってる可能性はありませんか?」
「ない、と思うけど」
「……………………もし、それが真実と仮定したら、凄いことですね」
「溜めたね!!」
「その調子で頑張ってください。同じ大学に入らなかったら許しませんからね」
「うへへー。期待されてるー。嬉しいから頑張っちゃうぞ!!」
「ちなみに、私達って受験に追い討ちをかけるために、学校に来なくて良いんですって。次の活動は卒業式にしますか?」
「そんな事したら僕の勉強への意欲がさがっちゃうじゃんか。あわよくば毎週会いたいし、更に欲を言えば僕の家に住んで欲しい」
「飛躍しすぎです。かといって私は学校に行く意味がありませんからね……連絡さえつけば、その日だけ学校に行くんですけど」
「携帯持ってる?ハァハァ。ついでにラインやってる?ハァハァ。僕に教えて欲しいなー。ハァハァ」
「荒い息で何を想像しているんですか。それに、私は携帯持ってませんから」
「そういえば僕も持ってなかった!!」
「ガラパゴス携帯すらも持たない私達は何と呼ばれる人種なんでしょうね。絶滅危惧種でしょうか」
「むう、なら後輩ちゃんが部活したいと思った日に僕の家に来て」
「はい?」
「はい、これ僕の家の住所。スーパーを目印に歩いたらつくからさ」
「や、意味が分かりませんけど。私が行くんですか?」
「そうそう!」
「……はぁ。では」
「まったねー!!」




