1月
「いやー、あけましておめでとう。今日も変わらず寒いねー。後輩ちゃんの家まで来るまでに三回くらいわだちにハマってコケたよ」
「……またこの光景ですか」
「あっれー。後輩ちゃんが呆れた顔をしているよー。僕と会えた感激でかなー?」
「な訳ありますか。阿呆」
「って、閉めないでよ!!!今日は部活をしようと思って来たのにー」
「今日は両親がいないので家に堂々と邪魔できると踏んだのでしょうが甘かったですね。私が許しません」
「くそう。後輩ちゃんの無駄な底力がここで活用されている……!!ちゃんと事前学習してきたのに!!」
「何のですか」
「え?盗聴して、後輩ちゃんの家族関係を学習してたんだよ?」
「さも当たり前な表情を止めてください。この言動で訴えたら、私が勝ちますからね」
「折角後輩ちゃんのパパ殿がお好きな芋焼酎とイカスルメを持ってきたから、今晩は夕食をお供させていただきます」
「何も理解してませんね。しかも、勝手に人の父に取り入ろうとしないでください。燃やしますよ」
「何を!!?」
「社会的地位です」
「後輩ちゃんなら出来そうだね……」
「まず、受験票を燃やすという初期プロセスを実行します」
「やめてー!!後輩ちゃんと同じ大学に行けなくなっちゃう!!許してーー!!」
「……そう言えば、センターって来週でしたね。調子はどうなんですか?」
「良い感じだよ。後輩ちゃんと同じ大学に行くならエンヤコラ。勉強くらいなんて事ないよ」
「なんて事ない勉強を出来ずに留年したのは誰ですか?」
「ぼっくでーす」
「ご名答。息抜きも必要ですけど、ハメを外して後悔するのは先輩ですからね」
「うん。後輩ちゃんの為に頑張るよ。それじゃ」
「……えっ。帰るんですか?」
「……えっ、何その飢えた女彪みたいな目は。抱き締めて愛の言葉を囁きながらベッドにルパンダイブしか出来ないよ」
「人をアマゾネス呼ばわりは止めてください。訴えますよ。……ただ、あの腐れ外道の先輩がすんなり帰ることが意外で、何か嵌められているんじゃないかと不安になりまして」
「僕が素直に勉強の為に帰るだけなのに!??」
「普段と違う行動をするからですよ。それでは、勉強頑張ってください」
「ん!頑張るよ!まったねー」




