12月
「個人的に、12月って一番嫌いなんだよね」
「何故ですか?」
「だって、12月ってだけで浮かれて盛りのついた雄雌が、街とか関係なくイチャイチャするんだよ?見てて吐き気がする」
「同意できますけど、それって嫉妬しているだけですよね。それって、憧れてるけど、実際に行動できないから妬んでいる僻み野郎の台詞ですよ」
「僻み上等。とにかく、イチャイチャしているバカっぷるを撲滅したい」
「本音が駄々もれですよ」
「後輩ちゃんだって手を繋ぎながら歩道を占領しながら、バカ騒ぎする男女を引き殺したいと思わない?」
「思った事ないですよ。私をどんなキラーレディーだと思ってるんですか」
「バカっぷる撲滅委員会会長」
「創立されていたんですか」
「ちなみに、会長は僕という秘書とバカっぷるになって会長職を下ろされる結末だから」
「そんな結末はどんな汚い手を使ってでも食い止めてやりますから」
「二人の中を引き裂く力が強い程、恋って盛り上がるよね。ロミオとジュリエットとか本当に良い例だよ」
「絶対に結ばれてはならない関係でしたものね。ジュリエットは思春期でアイデンティティーを確立する時期ですし、反抗したくなったんでしょう」
「許嫁とかそんな関係だったら、どうせ上手くいってなかっただろうね。否定されるからこそ盛り上がるって感じしかしなかったし」
「そうすれば友人も従兄弟も死ぬ事はなかったんですよね」
「そうそう。ロミオだってチェリーボーイのまま死ぬ事はなかったんだよ」
「ロミオの下半身事情はどうでも良いですから」
「ちなみに僕はチェリーボーイのままで死にたくありませんが、後輩ちゃんに殺されるなら仕方がないかなって考えている十九歳男子高校生です」
「ツッコミどころありすぎて拾いきれません」
「ぶーぶー。後輩ちゃんったら、つまらないぞー」
「反応に困りますから、変な踊りは止めて下さい」
「これはロシアのコサックダンスだよ」
「ここで踊る必要を一ミリも感じ取れないのですけれど、気のせいですか」
「気のせいじゃないと思うし、僕自身何で踊ってるのかも分かってない。これぞ怪奇現象」
「先輩の脳内構造が怪奇なんですよ」
「でも、後輩ちゃんと過ごせるなら12月も好きになれるよ」
「話が戻りましたね。……それなら、毎月好きじゃないですか」
「ご名答。後輩ちゃんのお陰で僕の毎日は薔薇色なのである。お陰でクサレ恋人達が目の前を通っても、冷静を保って唾を飛ばす程度の事しかしてないよ」
「大概、人道から外れた行為をしてますけどね」
「ふはは。触れちゃいけないぞう!ってことで、イチャイチャしようではないか」
「私達はしませんよ。それでは、定時なので」
「まったねー」




