12月
「12月になったとたん、急に冬という感じが増すね」
「景色は変わらず真っ白ですけど、何故か冬の気持ちが高まります」
「その理由が僕にはよく分かるよ。ほら、後輩ちゃん。窓の外を見てごらん」
「手を繋いだ高校生ばかりですね。って、普通の光景じゃないですか」
「ちっちっち。後輩ちゃんは単純な頭の構造だね。彼等の関係性をよぉく見てみなよ」
「先輩に言われたくありません」
「な、ぬ!?……とにかく、あれは普通の恋人の光景じゃないのさ」
「と、言いますと」
「あれは、冬やクリスマス期間に異常増殖する一人は寂しい☆一人でいれない人が偶々二人一組になっているだけだよ」
「先輩には関係ない筈なのに、やけにリアルな説明ですね」
「だから、アイツらが増えると冬を感じる」
「雪虫ですか。確かに雪が降る少し前に異常な程増加しますが」
「そうそう、歩いているだけで鼻や目に入ってくるからマスクが必需品なんだよね」
「そう言えば、街もクリスマス色に染まってきていますよね。イルミネーションやらでごてごてに飾り付けられていて、ヘドが出ます」
「クリスマスに何の嫌な思い出があるの!?」
「特にないです。ただ、先輩のように浮かれる人がいるのが嫌なだけです」
「どう言う事だよ!?僕は浮かれてなんかいないし!ただリア充共を心の底から妬んでるだけだし!」
「……可哀想な人ですね」
「あ、僕には後輩ちゃんというこの世で一番可愛い彼女がいたんだった。いっけなーい☆」
「お巡りさーん。変な人に勧誘されてまーす。助けてくださーい」
「勧誘じゃないよ。ただ事実を肯定していただけじゃないか」
「ちょっとよく分からないです」
「分かって!?」
「まあ、とにかく。次回の部活までにはこの部室のごてごてとした装飾も外してくださいね」
「うあわあわ!そんな事をしたらクリスマス感がなくなってしまうじゃないか!」
「そういう所が浮かれてるって言うんですよ、それでは定時ですので」
「うう、ぐすん。まったねー」




