8月
「8月って鬱になりやすいのかねー」
「どうしたんです、いきなり」
「なーんかね、どうでもいいなーって思い始めてきてー。でろーんな気持ちだよー」
「そんな気持ちは初耳ですが、確かにでろでろしてますね」
「知ってたぁ?北海道の小学生が全国で一番鬱傾向が高いんだってさ」
「へえ、知りませんでした」
「冬の時期が多い北海道は、夜の時間が長い日数が多いから気持ちが暗い傾向になるんだって。だから、僕もでろーん。でろーん」
「はたしてでろーんな先輩の状態が鬱状態と言えるのでしょうかね。とりあえず、その知識初めてです」
「ふふん。なんせ僕は道産子ボーイだからね。知ってて当たり前なのさ」
「私も道産子ガールですよ」
「わあ。なにこの酷い後付け感たっぷりの設定。もしかして、ここって北海道だったりするの?」
「そりゃそうですよ。あと、基本この人の書く物語の舞台は北海道らしいですよ。なにやら北海道以外の地域の物語を書くのが苦手らしいので」
「書く?何だそりゃ」
「私達には関係ないことですから気にしないで下さい。それより、どうしたんですか。その変な鬱な感じは」
「うへー。僕にも分からないよー。ただ、夏休み明けてすぐにテストがあるってのが憂鬱で仕方がないんだー」
「原因テストですよね。丸分かりじゃないですか。そこまで簡単な謎もそこまでないですよ?」
「そうなのかにゃー?」
「猫語を先輩が使うと無性に殴りたくなりますね」
「愛のムチ?」
「愛は混もってません。ですが、これで先輩が勉強する気になるんでしたらいくらでも振ってあげますよ?」
「や、やけに後輩ちゃんが積極的……も、もしかして僕の貞操狙われてるの!!?」
「頼まれても要りません」
「僕は後輩ちゃんの操欲しいけどなー」
「その発言が訴えるレベルだと、何回言えば分かるんですか?死ぬまでですか?でしたら、今すぐ私への慰謝料置いて首くくってください」
「後輩ちゃんの枕元に立とうかなー?」
「めげませんね」
「ぬふふん。僕は負けん子なんだー」
「でしたら、その負けん子根性をテストの方に活かすべきですけど。先輩、本当に留年しますよ?」
「うわー、それはやだ!だって、後輩ちゃんと一緒に卒業出来ないじゃんか!そんなの、やだよ!」
「口だけは達者ですね。行動に移しなさいよ」
「むっ、じゃあ移すもん」
「はい、分かりました。それでは勉強するということで、今日の部活はお開きにしましょうか。お先に失礼します」
「後輩ちゃんの口車にまんまと乗せられた気がする!??ま、まったねー!!」




