9月
「勝手に同好会に入れといて、1ヶ月後に呼び出すとかどういう神経ですか」
「え。そんなに僕と一緒にいたかったの?」
「くねくねするのは止めて下さい。貴方は女子ですか」
「僕を女子だと思ってたの?なら、僕が男だってことを見せないと」
「何故ズボンのベルトを緩めてるんですか。私の想像通りのことをしたら殺しますよ」
「んー?僕のどんな妄想をしてるのかなー?」
「そのニヤニヤ顔止めて下さい。ヘドが出ます」
「そんなこと女の子が言っちゃダメでしょー。もっと純情にしてないと」
「誰のせいだと思ってるんですか」
「僕のせいだと嬉しいなー」
「…」
「…お茶でも飲む?」
「いえ、良いです。ところで質問良いですか?」
「ん、どうぞ」
「何故私達はこの物置にいるのですか?」
「はっはっはー。後輩ちゃんは面白いこと言うねー。ここが部室だからに決まってるじゃん」
「笑われることはしてません。殴りますよ。…って、そんな嬉しそうな顔しないで下さい」
「ええー。しないの?残念」
「どう考えてもここが部室っておかしいじゃないですか」
「あ、無視したね。だって、1ヶ月に1度しかない同好会だからこれぐらいで良いんだよ」
「1ヶ月に1度ですか…」
「そんな悲しそうな顔しないでよ。じゃあ、毎日にしようか?」
「先輩の目は節穴ですか。私は凄く喜んだ顔をしたのです。毎日にしたら不登校になりますからね」
「それは『嫌よ嫌よも好きのうち』ってことかな?」
「ワクワクした目で見ないで下さい。その可能性すべてへし折りますよ」
「…ありがとう」
「私は何か悪いことをしたのでしょうか。何故こんな変態が関わってくるのですか」
「良い行いをしたからに決まってるじゃないか」
「あ、もうこの人にはついていける自信がなくなりました」
「て、照るなぁ…って、帰ろうとしないでぇぇ!?」
「何を驚いているのですか。だって活動内容がないなら、いる必要ないですよね」
「あ、なるほど」
「それでは失礼します」
「またねー」