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会話同好会  作者: 太郎
高校2年生
15/56

6月

 

「会話同好会って…何だろうね?」


「そんな大きな問題は結成する前に消化して欲しかったです」


「いやー。一人で夜考えてたんだけど答えが出なかったんだよ」


「そりゃそうです」


「まぁ。別に結論出なくて良いんだけど」


「一体何ですか」


「結論!僕は後輩ちゃんと会話していたい!」


「なら先輩の期待に沿えるように今すぐ帰りますね」


「何も分かってないよ!?何でそんなに眉間にシワを寄せてまるで汚物でも見るかの様な目で僕を見下しているの!」


「私の表情の解説ありがとうございます。そんなに私の表情が分かったら気づきますよね。私が先輩に嫌悪感しか抱いてないってことくらい」


「ケンオカン?」


「言葉を知ることから始めましょうか。はい、それでは今日の部活はお開きです」


「ん?開かないよ。まだまだ会話するよ?だって僕らは会話同好会じゃないか」


「先輩と話すのは労力がかかります」


「良いダイエットになるね」


「先輩の頭は日に日に悪くなっていきます」


「後輩ちゃんに僕の頭の良さを与えてるんだよ」


「先輩と話してるせいでクラスで私は浮いてます」


「沈んでなくって良かったね」


「メガネで真面目でSキャラだと勘違いされてます」


「それは勘違いじゃないよ」


「だけど話してみると面白いねと言ってくれる友人が出来ました」


「うーん。嬉しいけど嬉しくないけど嬉しくってたまらない、ジェラシー」


「はい」


「?どうしたの、手を叩いて」


「今日は思う存分会話出来たですよね?なので、定時ではないですが帰ります」


「ううっ、後輩ちゃん成分が足りないと死んじゃう僕の特性を知ってて言ってるのかー」


「先輩の頭を心配してるのです。先輩は私と話すよりも勉強すべきです」


「うーん。優しいなぁ。そんなにも僕のことを考えてくれたんだね」


「そりゃそうです。一応先輩ですから」


「一応?なーんか気になるなー。そのことについて10分位語ろうか」


「そう言って私を引き止める魂胆は見えてますのでお先に失礼します」


「ぐ!?バレたのか!!でも良いよーんだ!またねー」




『そもそも私はこの同好会に好んで入ってるのではありませんから。どっかの黄色い馬鹿に入れられただけですからね』


「あー。やっぱり後輩ちゃんの声は可愛いなー。頑張って隠れて録音したかいがあったよ」




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