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3話
ほとんど会話のみです
『わたし、実結って言うのお兄ちゃんは?』
『修』
「……様、修様、どうかなさいましたか?」
「いや、何でもない」
「それならばよろしいのですが」
「ああ」
「修様、間もなく到着いたします」
「そうか」
車から見える景色を見ながら呟いた
「叔父さん、叔母さんいってきま~す」
「いってらっしゃい、実結」
「実結は行ったのか?」
「ええ、あなた」
「あの子も15才になったのね」
「ああ、あれから10年か」
「美咲から実結を預かって、もうそんなにたつのね」
「紡ぎの力の為とは言え、家族が一緒に暮らせないなんてな」
「そうね、実結が両親と会えるのは1年に1回、実結の誕生日だけですもの」
「仕方がないとは言え、実結は文句1つも言わず、両親が一緒に暮らせないのは仕事のせいと疑わない」
「そうね、でもそれは全て実結の為ですもの」
「彼女が例の?」
「はい」
「月宮実結…か」