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眠らない街、東京。

作者: でんでろ3

 眠らない街、東京。しかし、今は昼。だから、関係ない。いやいや、そうじゃなくて。平穏な休日の街。しかし、その静寂は銃声によって引き裂かれる。

「はーっ、はっはっはーっ。貴様ら、みんな死ね」

両手にマシンガンを持った男が辺りかまわず乱射している。逃げ惑う人々。音をたてて割れるショーウィンドウのガラス。硝煙の臭いが鼻を衝く。

「やめろ! 私が相手になろう」

一人の男がすっくと立ち上がる。

「面白い。蜂の巣にしてやる」

舌なめずりする殺人鬼。しかし、注意が男にそれている隙に、もう一人の男が殺人鬼の背後を取った。

「おいたが過ぎるぜ」

首の後ろに手刀を叩き込まれ、殺人鬼はあっさり崩れ落ちた。街が歓声に包まれる。

そうこうするうちに、装甲車が走行してきた。遅きに失した機動隊の到着かと思ったが、様子がおかしい。中に乗っていたテロリストだか「いつか殺すリスト」だか知らん奴が、学生服を着て拡声器でがなりたてる。

「今すぐ降伏すれば幸福になれる。さもなければ、汚れは、こう拭くのだ、というところを、見せつけるぞ」

店を漬けられても困るが、紅白まんじゅうも食いたくないので、ヒーローを呼んだ。

「いなりパンマーン」

(説明しよう。いなりパンとは、パンの中にいなり寿司が丸ごと1つ入った袋パンである。街角のパン屋さんではなくスーパーで袋パンとして本当に売られていたのである。筆者は25年ほど前に1度だけ遭遇し、すかさず買って食べたのだが、意外に旨かった。なので、当時大学生だった筆者は、速攻で大学生協にいなりパンを販売するよう要望を出したが、にべもなく断られた。ウチの大学には白石さんのような人はいなかったのである。)

「やぁ、僕、いなりパンマン。僕の顔をお食べ」

「誰が食うか、そんなゲテモン! いなりか、パンか、どっちかにせぇや!」

「ひ、ひどい。あんまりだ」

いなりパンマンは泣きながら駆けて行きました。

「役に立たねーな。よし、こうなったら」

「どうするんだ?」

(だみ声で)

「ぱぱら、らっぱっぱ~。金で解決~」

「誰の真似だ」

「いや、その辺は、色々うるさいから」

「しかし、金で解決って、そんな大金あるのか?」

「大金は要らない。行って来る」

何やら交渉をしていたが、なんと、あっさり追い払った。

「お前一体、いくら渡したんだ?」

「10バーツ」

「バーツ? って、タイの通貨だろ」

「いやぁ、昔から言うだろう『テンバーツ、てきめん』ってね」

「お後がよろしい様で」

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