1話
「遅かったじゃないかヒーロー。いや、お前らにとってはこれくらいの遅れは遅れとは言わないのか。」
「何が言いたい。人の獲物を横取りしておいて偉そうに。」
「そこで垂れるのが先に怪人を処理した俺に対する感謝ではなく嫌味か、つくづく屑野郎だなお前らは。」
「黙れ。お前も俺たちに敵対するのなら容赦はしない。」
そこで武器を向けてくるか。やはり救えないな。ヒーローってのは。
直後、コンクリートの割れる音が響いた。
「な、、レッド!お前、一体何をした。」
ただ殴り飛ばしただけだが…。弱すぎる。本当にこいつらがこの街を守っていたのか?
「はぁ…。何をしただって?俺はそいつが売ったケンカを買っただけだぞ。」
ここでどう出るのか。
「チッ、一度引くぞ。レッドがやられた。ただ怪人はもういない。俺たちの出番はもう終わっていた。」
逃げるのか。まあいい。あいつらのリーダー的存在は当たりどころが悪けりゃ致命傷だ。ヒーローとしてやっていくのはしばらくは厳しいだろう。あいつらを追っても周りに被害が出るかもしれない。得策ではない。
そうして俺はまた一人とヒーローを潰したのだった。
20XX年、突如として怪人が現れた。それとほぼ同時期に超常的な力が発現した人類が生まれた。その超常的な力を持つ人々は、生身で唯一怪人に対抗ができた。そのため世界各国で超常的な力を持ち、怪人と戦う者たちを”ヒーロー”と囃し立て、国が一つの職業として組織化した。しかし、力を犯罪に使われては対処のしようがないので、力を持つものは即採用、給与や福利厚生は他の職業の数段良くなっている。そのせいだ。そのせいで性根の腐った輩も力を持っていれば簡単にヒーローとかいうものになれてしまう。俺も昔はヒーローに憧れた。怪人と戦い、力なき弱き者たちを助ける。そんな、ヒーローに。ただ、そんな幻想はすぐに壊された。親兄弟共々見殺しにされたのだ。憧れていたヒーローに。まだ助けられた。救えた命だったんだ。結局、生き残ったのは俺一人だ。俺は誓った。力なきものを助け、偽物のヒーローどもを潰す。それが、ヒーロー狩りとしての俺の始まりだ。




