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三題噺もどき5

2時間目

作者: 狐彪
掲載日:2026/02/20

三題噺もどき―はっぴゃくにじゅうきゅう。

 




 ガタガタと窓が揺れる。

 最近、天気は良くて晴れているのに、風が強いせいでその温かさの恩恵を感じられない。もう少し大人しくしてくれればいいのに。

「……」

 窓際に座っていると、どうにも外の景色が気になってしまう。

 手元では小さくなり始めた消しゴムをいじっている。

 ……今はそんな事をしている場合ではないのだけど。

 なにせ、授業中だ。

 私の嫌いな数学の授業中。

「……」

 カツカツと、時折チョークで黒板を汚しながら何かを書いていく。

 回りの人は、数人ほど眠っているが……さすがにこんな早い時間の授業で眠くなることは私はないな。まだ2時間目だ。まぁ、つまらない授業であれば眠くはなるが。

「……」

 しかし数学は嫌いだが、この先生は割と面白いのだ。

 こうして、生徒が幾人か寝ていることを、自分のせいだと言う。授業がよくないんですねとか言い出す。別に起こすわけでもなく放置している。淡々と授業を進めていく。授業内容は何をしているのか正直理解が出来ないけど。数学という教科は嫌いなのだ。

「……」

 いいのかそれでと思うが、まぁ、実際ドライな人なんだろう。生徒のためを思えば、寝ていれば起こすのがいいことは分かっている。けれど、起きないのなら、寝るのなら、勝手にしてしまえと言うことだろう。それで成績にどう影響が出ようが、自業自得だと言うことだろう。そこまでではないかもしれないが。

 よく聞くじゃないか。怒ってくれる人が居るうちにって。

「……」

 まぁ、声もそれなりに優しいと言うか……眠気を誘うような感じではあるよな。

 心地よく響くのだろう。いい声というわけでもないのだけど、不思議と。だから、昼食後の授業とかに数学が入ってくると私も割と眠くなる。

「……」

 しかし今日も何をしているのかよく分からない。

 教科書の該当ページを見ているのだけど、何がどうしてこうなるのか全く理解が出来ない。

 何……今何をしたのだ。どうしたらそこがそうなる?

「……」

 今この状態で、3年生になったらどうしたものだろう。もう今更だけど。

 だってもう、気づけば2月はあと1週間しかない。このままアッと言う間に3月が過ぎて、春休みを迎えて、それが開ければ3年生だ。……恐ろし。

「……」

 図形の証明とかなら得意なのだけど、もう小学生の頃から算数が嫌いだったからな。数時が苦手なんだろう。証明はどちらかと言うと国語の問題だと思っている。違うけど。

 頭にたくさんの疑問符を浮かばせながらも、とりあえず板書をしておく。

 あとで、あの子に聞いてみよう。あの子は数学得意なので。教えるのも上手い。

「……、」

 一端、板書を終え、シャーペンを机に置く。

 ふと、外の景色がまた視界に入った。

「……」

 我が校は道路を挟んだ反対側に、テニスコートがあるのだけど。

 その隣には、小さなハンドボールコートのような場所があって。

 そこで、今日は体育をしているクラスがあったようだ。

「……」

 体育は基本、女子と男子で分かれて行われる。

 そこに居たのは、女子。

 サッカーをしているようだった。

 丸いボールを追いかけながら、あちこちへ走りまわっている。

「……」

 その中に、あの子がいた。

 今日は、この時間に体育があったのか。

 表情までは見えないけれど、まぁ、楽しそうにしている。あのクラスは基本的に全員の仲が良いように見える。中身を知らないから断定はできないけど。

「……」

 ポニーテールを揺らしながら、ボールを追いかけたり、なぜかゴールキーパーのところでサボったりしている。袖をまくっているけど、寒くないんだろうか。外に居て動いていれば暑いものなのかな。風で冷えそうなものだけど。

「……」

 楽しそうだなぁ。

「……」

「……」

「……」

「……。」

 昼休みまであと2時限もあるんだなぁ。












 お題:春休み・サッカー・消しゴム

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