ボンカスト編 第10話 知らない青年
翌朝錦戸が作った朝食を4人食べている最中「ねえ?仲月?」「何だ?」「あの子の事どうするの?」「……あぁアイツか」「なになに~昨日何か面白い事でもあった?」「お前が面白いと思うか分からないが……」そうして昨日起きた処刑の話その後に出会った青年の話をした―昨日……
誰も死ななかった処刑終わり「どうして?止めなかったのよ!」何故か綾瀬に蹴られた「下手に止めたら俺死ぬかも知れないだろ?」「何?別に問題ないじゃない」「えぇ~マジかよ」綾瀬に対してそんな恨まれるような事したか?……「仲月さんはこうなる事分かってたんですか?」「いや、分かんなかった」「あの姫様助かってますように」……綾瀬が祈りを捧げていた
「もう一人には祈りを捧げてやらないのか?」「はぁ?仲月まさかあんな女の味方をするわけじゃないでしょうね?」「そうなるかも知れないと言ったらどうする?」そんな半分冗談を言ったらパシーンと右頬に強い衝撃が走った「正直あんたは最低な奴だけどそういう見分けは出来る人間でしょ?」瞳に涙を浮かべ強く言われてしまった「もしかして、過去に何か遭ったのか?」「……少しね……あんた今日はもう喋りかけないで」「……悪かった」「……」綾瀬は何も言わず背中を向けた
「ここにいても何も無さそうだしとっとと帰るか」周囲を見る限り俺達が一番早くその場を離れていた、どうやらあの民衆共は喋る事が好きなようだスニージアラボに向かっている道中「あんた達ちょっと待ってくれ」そう言われただけではなく返事を返す前に後ろから肩を掴まれた
「何か用事でも?」「一つ聞きたいんだが」「何だ?先に帰るのがそんな珍しい事だったか?」「それもあるんだがあんた達他国の人間だろ?」「まあそうだな」他国どころか別世界の人間だが「それが?どうかしたか?」「お願いだ俺と協力してフィアを助けてくれ!!」そう言うと突然その場で土下座をかまされてしまった
「は?あんたふざけ」「……」黙って綾瀬の口を塞いだもごもごと文句を言っていた「まあお互い落ち着けよ」丁度ここは余り人が通らない道ので目立つ事は無いが「あぁそうだったどうしても協力して欲しくて焦り過ぎてた」「それで?どうしてフィア様を助けなきゃいけないんだ?逆にこの国の奴らからしたら殺してやりたい程憎まれてる奴じゃ無いのか?」
「……アイツ等は何も知らないんだ本当のフィアを……」「……」
約一年前―外に出たその日「最後に出たのはいつだったかな?」久しぶりに浴びた日差しが刺さるような感じがした正直俺はゴミみたいな人間だ労働する能力がありながら何もせずただ引きこもり自分勝手な言い訳をしてこれまで生きて来た「やっぱ何か被るか」ほとんど着ていなかったフードを被り街を歩いた適当に時間を潰していた時何故か人がぞろぞろ同じ所に向かっていたため何かあるのかと思い後を追ってみた
そして初めて処刑台みたいなものに立っていた彼女を見た……は?あんなのあったか?あの姫様見た事あるが名前何だったっけ?てか、今までこんな事してたか?状況が全く理解出来なかったが処刑は進み結局二人の人間が犠牲になった……国民全員で止めればどうにかなりそうなのになそんな事を思いながらその場を後にした
これだけあればまたしばらく外に出なくても済みそうだな買い込みを済ませまた堕落した生活に戻った……「あぁ寝てたか」少し休むつもりが眠りに着いてしまっていた時計を見たら日をまたぐくらいには近い時間になっていた「……っ…ッ」?何か少し外から音がした……良く聞くと誰かが涙を啜り泣きしているようだ隠し窓を開け外を見た「きゃっ!えっ!?」辺りが暗いのもそうだが暗い色のフードのせいで顔が良く見えなかった「人が住んでたとは知りませんでした迷惑を掛けてしまいすみません」
そう言って去ろうとしたのだが相手が女性だしこの時間帯だからな~少し気になってしまったので窓から飛び出たが運動不足のせいか盛大に着地を失敗した「だっ大丈夫ですか?」足を止め俺の所まで駆け寄って来てくれた「あぁ大丈夫だ下手な事するハハッもんじゃ無いな」「あれ?君は今日あの処刑場にいた」「あっ」咄嗟に彼女は顔を隠した「……ごめんやっぱ名前出て来ないや」
「あなたは私の事知らないんですか?」「……あ~家に入って話さないか?」「なっ何でですか?」「その感じだともし今他の人間が来たらマズいだろ?」「……そうですね、分かりました」彼女を家に入れた「すまん少し散らかっているかも知れないが」「お邪魔します」フードを取り彼女がちゃんと見えた「それで?もう泣かなくて良いのか?」「……うるさいです」
「まずは自己紹介からだったな俺はギールよろしく」「フィアと申しますおにい……おじさ……ギールさんって言うんですねよろしくお願いします」「あーこんな見た目だが多分俺フィアさんと年そんな変わらんぞ」「…え?」この日俺の日常が少し変わった




