パジャン島 復讐編 十一
「だが、ちょっと待て」私の手はその言葉に対してでは無くその後の行動で止まってしまった自分には敵意は無いというのを示しているのか手を上げこちらに振り返ったのだ
以前の私なら躊躇なく殺っていたのだろう……巧人さんと一緒に過ごしたからかな?自分が鈍っている事を実感した…目の前の男……確か仲月とか呼ばれていたな
「ふぅ」っと首元に立てている私の爪を見て一息ついていた仕方ない話くらいは聞いてやるか「……」「あんたが人を殺している事は誰にも言うつもりは無い」そんな信用も出来ない事を言い出した
「…それを信用しろと?」私は奴の動脈すれすれまで爪を縮めた「あぁ」コイツ馬鹿なのか?そんな事しなくても「わっちが旦那はんを殺せば何も問題ないと思いますが?」「それはそうなんだが…」
「じゃあこうしよう」そいつは左腕を前に出し言った「代わりにコイツを切り落とせ」一瞬何を言い出したか分からなかったが奴の目は真剣だった「何を言っているのか分かっているのですか?」
「あぁさっさと済ませてくれ」「……」そいつの左手首までを切り落としたむしろこの方が私にとって安全策だという事に気付いたコイツの味方にいるあの女を敵にするのはあまりにも厄介だと思い出したからだ
奴は書くものを要求してきたので適当な物を渡すと見た事の無い文字を書いて「コイツと一緒に休み処って所に届けといてくれないか?」私はここでコイツは狂人だという事を理解した
休み処…確かあそこか知っている店だったその後私が何故人殺しだと分かったのか聞いたら奴は私をここまで誘導する事まで計算していた事が分かった
私は仲月の止血をして幻影魔法を掛けた「じゃあ俺は帰るわ」特に私から言う事は無いがふと何かを思い出したかのように仲月は振り返り「多分俺もうそろ死ぬと思うから山梔子の事を見といてやった方が良いぞ」
「は?どうして?わっちがあの雌を?」「彼女の身に危険が迫っていてもか?」「それがわっちに何の関係があるんでしょう?」「別にどうでも良いんならそれでも構わないが」
「あーあ巧人の奴も可哀想にな数少ない信用できる人間が一人減るのか~~」煽る様に言葉を残し仲月はその場を後にした……気に食わないが巧人さんの悲しむ表情を私は見たく無かった私は仕方なくあの雌の所に向かう事を決意した
翌日包装した仲月の左手を宿に持っていき気に食わないが店の様子を少し見てから戻ったその時は特に異常は無かった―
その日の夜珍しく篝火が店を訪ねて来た「篝火こんな時間にどうしたの?」「ちょっと頼みがあって?」何かあっただろうか?「それで?頼みたい事って?」「明日の朝深明朝夜の木で待ってるから来てくれないか?」
「……」「何か用事があったか?」言うべきか迷ったが言っておくべきだと思い篝火に私は伝えた「明日私…巧人に自分の気持ちを伝えたいって思ってて」
「……」「篝火?」「どうして?アイツ何だ?」「えっ?」「俺…山梔子がずっと好きだったんだ俺じゃダメなのか?」「……ごめんもっと早く言ってくれていたら変わってたかも知れないけどもう篝火は大切な友達としか…」
「……」篝火が刀を抜いた「どうして?…危ないよ?」次の瞬間危険を感じ咄嗟に身をかわした「きゃっ」「もうダメだ…」店の外に出たが恐怖で声が出なかった振り返った時にはもう刀が降り降ろされる瞬間だった―
その夜にもう一度行った時何故かあの雌が切られそうになっていたのを目撃した瞬間…気付いた時には私庇っていた背中に魔力を集中させ防御したはずなのだがそれを奴の攻撃は貫通した




