パジャン島 九
「師匠!!完成しました」「…」「師匠?」「あぁ、おめでとう良く頑張った」…俺はちゃんと喜んでいる顔をしているのだろうか正直自分が今どんな表情をしているのか分からなかった
「美しい刃だ」「はい!ありがとうございます」見事だ…まるで武器自身に…この瞬間気付いてしまったがその手前そんな事を言えなかっただから「巧人しばらく武器を作るのは控えて俺の手伝いをしてくれ」
「えっ?どうしてですか?」「良いから」「…分かりました」そこから再び巧人が武器を作ったのは数か月後の季節は秋になり凍えるほどでは無いが風が冷たくなって来た頃工房から音がした
バレないよう厨房を見た、あの時よりも更に集中力が洗練されていたこちらの事など気付いてすら無いのだろ……わざわざ隠れる必要無かったな
中に入り鍛錬中の巧人に見入っていた止めなければいけないのにどうしてなのだろう完成品を見たい欲求がある自分がいるそして「出来…しっ師匠いつからそこに!?」「…巧人」
「いや…これには理由があって」「…はぁ取り敢えず話は後だそれで?それはそのままで良いのか?」持っている物を指摘した「そうでした」鞘を作り刃を納めた
「終わったか」「…はい」俺はそんな顔をしている巧人を見たかったのではない「まあ、座れ話そう」「分かりました」巧人が座り事の詳細を話したどうやら篝火が誕生日だからその祝いに送ろう作ったという事らしい「…それで?ちゃんと理想の物が出来たか?」
「はい、結構いい出来だと思います」「…そうか」「あの?何で?怒らないんですか?」「それは…いや何でもないそうだなしいて言うならちゃんとした理由があったからだな」
「そうですか…ありがとうございます」「疲れただろ?ゆっくり休め」「はい、これを届けたら休みます」「…そうか」そう言って巧人は厨房を出た…確か刀って武器だったか
巧人が最初に作った時の刀を手に取り先程の刀と比較する必要は無かったそれほどまで違った自分の中にあらゆる感情が溢れるそしてふと良くない事を頭に浮かび上げてしまった
「クソッ」そんな考えをした自分が嫌になる魔力…かあの後に聞いた力の正体恐らくまだ周囲にはバレてはいないのだろうバレないようにしなければじゃないと巧人は死刑にされてしまうかも知れない…
あれから数か月巧人は武器は作らず手伝いをしてくれている季節も春の訪れが来たと感じたその日巧人の正体がバレてしまった最初は焦ったが思いのほか殿様とも上手くやっているようだった
だがこの時は知らなかったただ巧人の知識を利用しているだけなのだと




