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桜の簪の誓い  作者: 白百合三咲
9/11

みやこの忌まわしき過去

この話は一部性的表現を思わすシーンがあります。

苦手な方はご了承下さい。

「触らないで!!獣!!」

みやこは麻斗の掴みかかった手をふりほどく。

「えりさんにゆきさん、貴女方の言う通り彩花ちゃんを殺したのはわたくしです。」

「やっぱりそうか。あんたは彩花よりその石倉とかいう男をとった。そうだろう?」

麻斗が再び問い詰める。

「違う!!!」

みやこの叫び声が木霊する。


「わたくしが石倉先生と恋仲ですって?!汚らわしい。男なんか死んでもお断りだわ。」


 みやこはイタリアに留学中お世話になっている教授に食事に誘われたことがあった。みやこは快く承諾した。しかしその教授は食事に睡眠薬をまぜみやこを介抱するふりして、自宅へと連れ込んだ。

その夜のことは今でも思い出したくないという。

 留学を終えると公爵家から縁談があったがすっかり男性恐怖症になったみやこは縁談を断り母校に教師として赴任することを選んだ。

 そこで出会ったのが石倉だった。最初はみやこに学校のことを丁寧に教えてくれ生徒指導に悩んでると相談にも乗ってくれた。

「男性でも悪い人ばかりではないのだと思いました。だけど」

「だけどそれは全て下心だった。とでも言いたいのか?」

えりが問いただす。

「ええ、そうよ。」

それを知ったのは事件があったあの日だった。




 


 みやこは彩花と桜の簪の誓いをした後会議の時間を思い出し職員室へと戻る。ちょうど16:20くらいだった。

しかし職員室には石倉先生しかいなかった。


「石倉先生、他の先生方はまだいらしてないのですか?」

「はい、実は補講で席を外してる先生もいまして会議の時間は変更になったのですよ。」

「まあそうでしたのね。」

「高山先生」

みやこは背後から石倉に抱きしめられ石倉はみやこのワンピースのボタンを1つまた1つと外し胸元に手を入れる。

「このまま大人しく僕の物になってくれませんか?」

次の瞬間みやこの脳裏に思い出したくない出来事が蘇った。

「きゃっ、何なさるの?」

みやこは反射的に石倉の手を振り払う。しかし

次の瞬間みやこは机の上に押し倒されてしまう。

「やめて下さい!!」

必死に抵抗するが両腕を押さえつけられ身動きがとれない。

「高山先生、怖がらなくてもいいよ。優しくするから。」

石倉はみやこの髪に翳された桜の枝を外す。

「生徒と恋愛ごっこですか?貴女ももう大人なんですから男に目を向けたらどうですか?なんなら僕が男という物を教えてあげますよ。」

石倉はみやこの首筋に口づける。

その時みやこは隣の机に目をやる。

美術教育が使っている机で彫刻刀など授業で使う道具が置かれている。

「離して!!」

みやこは思い切り石倉を突飛ばし机の上のパレットナイフを手にする。

「わたくしに近づかなで。さもないと分かってるわよね?!」

必死に叫びながらパレットナイフを石倉に向ける。必死の抵抗の甲斐があったのか、石倉は一目散に逃げていった。





「でもどうして彩花さんを?憎んでるのは石倉先生のはずでは?」

ゆきが問いかける。

「わたくしは殺すつもりなんてなかったの。彩花ちゃんを守りたかったのよ。」





 石倉は去った。しかしみやこはふと彩花のことが頭に余儀った。

(婚約者がいる。)

まだ桜の木の下に残っていると思い中庭へと向かった。案の定彩花は帰ろうとしているところだった。

「彩花ちゃん」 

「みやこお姉様」

みやこは彩花に持っていたパレットナイフを差し出す。

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