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桜の簪の誓い  作者: 白百合三咲
8/11

犯人の正体

「あなたが犯人ですよね?高山みやこ先生。」


(えっ?!) 

皆驚いていたが一番驚いていたのはゆきだった。みやこは一番最初犯人じゃないと断定したのはえりだったのに。


「ちょっと何言ってるの?えりちゃん」

「そうよ。貴女だってわたくしは犯人じゃないって言ったわよね。」


「あれは君を游がせとくための嘘だ。それに貴女は自分から犯人と名乗った。」

「ちょっとえりちゃん、どう言うこと?」

ゆきは不思議に思って尋ねる。

「僕は貴女に凶器の話をしていない。なのになぜ凶器がパレットナイフだと分かった?」

「えりちゃん、パレットナイフが凶器だって知ってるなら実咲ちゃんだって一緒じゃない。」

「実咲ちゃんは第一発見者だ。」

「ちょっとそれ証拠あるのかしら?その娘が嘘をついてることだってあるわ。」

「実咲ちゃんが言ってるのは本当だ。警察に確認も取れてる。」

「それに事件は学校で起きているんだし、みやこ先生も彩花さんの遺体を目撃していることだって。」

「それはない。」

えりは今度ら鞄から出勤名簿を出す。

「ゆきちゃん、事件当日僕とここで会ったのは何時くらいだ?」

「7:30。中庭には時計があるから覚えるわ。」

「じゃあ実咲ちゃん、君が彩花ちゃんの遺体を発見したのは?」

「ゆき様より少し前だったかと思います。美術室に絵の具とキャンバスを取りに行ったとき美術室の時計を見たら7:20くらいだったので。」

「みやこ先生、しかしこの出勤名簿には貴女の出勤時刻は8:00となっております。その頃には遺体は回収されていた。つまり貴女が彩花ちゃんの胸に刺さった凶器を目にすることはないんです。」


「待ってえりちゃん、だけどみやこ先生にはアリバイが。石倉先生だって言ってたじゃないですか。」

「そうだな。でもそれを証明するものがない。」


実咲は倶楽部の集合写真に写っていた。写真の端には16:00と撮影された時刻が記されていた。

麻斗は小風家にお邪魔していた。

「これは貴方が書いた物ですよね?麻斗さん。」

えりは鞄からサイン色紙を取り出す。これは小風家から借りてきた物で女中に麻斗のファンがいてサインをもらったのだ。

「はい、僕が書きました。」

色紙には麻斗のサインに日付と時間が書いてある。時間は16:25

彩花は電車で通学している。小風家から桜咲女学校まで5分ではたどり着けない。

「それに先ほど校長先生に確認したら、補習授業や倶楽部の時間が押して不在の先生方がいたため職員会議の時間は変更になったんですよ。つまり16:30には会議は行われていなかった。貴女のアリバイは崩れたんです。石倉先生は貴女を庇ったみたいですがどうしてでしょうね?貴女は石倉先生と恋仲になり、彩花ちゃんが邪魔になった。そして桜の簪の誓いを受けるふりして殺害した。違うか?」


「嫌!!それ以上は言わないで」

みやこはその場に膝をつき泣き崩れる。

「先生、貴女は彩花の気持ちを弄んで殺したんですか?!」

麻斗がみやこに掴みかかる。


「やめて!!」

みやこは咄嗟に麻斗の手を振り払う。


「触らないで。獣!!」

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