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桜の簪の誓い  作者: 白百合三咲
7/11

ゆきの作戦

「君は彩花ちゃんとみやこ先生の仲をどう思ってたんだ?」

えりは実咲に顔を近づけ問い詰める。

「仲睦まじいお2人だと思いましたよ。私の入る隙間なんてなかったです。」


 実咲は密かに彩花に憧れていた。中庭でスケッチをしているときたまたま通りかかった彩花が誉めてくれた。実咲は嬉しかった。

せっかくできた絵を見せて彩花に桜の簪の誓いをお願いしようとしていた。

しかし彩花の教室へ向かう途中、音楽室の前を通った。


「彩花様?!」

実咲は彩花がみやこと楽しそうにピアノを奏でる姿を見てしまった。

彩花が見ているのは自分ではなくみやこだとしり、最後に絵の被写体になってもらい想いを告げ諦めようとしたのだ。


「そうか。話は分かった。ありがとう。」


「あの?」

そこに女学生達が複数現れる。美術倶楽部の部員であろう。

「あの実咲さんに何かご用ですか?」

「ああ、少し事件のことを聞きたくてね。」

「実咲さんなら事件があった時間美術室にいました。」

女学生の1人が写真を手渡す。

これは今学期で引退する最上級生のために部員全員で撮影した集合写真であった。教室の黒板を背景に撮影されており、袴姿の少女達が2列に並んで写っている。2列目の端に実咲の姿はあった。

「ありがとう。参考になったよ。さあゆきちゃん、僕達は帰ろう。」


えりはゆきを連れ美術室を後にした。




 「えりちゃん、犯人はやっぱ3人の中にいるの?」

帰り際ゆきは聞いてみた。

しかし全員アリバイがあるし、彩花を好んでる。殺す動機すらない。


「ゆきちゃん、お願いがあるんだ。」

「何?」

「みやこ先生と実咲ちゃんに手紙を書いてほしいんだ。僕の言うとおりに。」



ゆきはえりの事務所に立ち寄り言われるまま2

通手紙を書いた。



「 突然のお手紙失礼致します。

 私は小風彩花の事件について重大な秘密を知っています。

 今日の放課後お話しますので桜の木の下で待ってます。彩花が亡くなった時刻に。」


 ゆきとえりは夜の女学校に忍び込み実咲の下駄箱と職員室のみやこの机の上に置く。




  翌日の放課後。実咲は桜の木の下に向かう。下駄箱に入っていた手紙を持って。しかしそこにはまだ誰も来ていない。

「実咲さん?」  

「先生」

そこに現れたのはみやこだった。

「あの、この手紙って先生が?」 

「違うわ。わたくしもこの手紙をもらってここに来たわ。」

実咲とみやこは互いの手紙を見せ合う。そこには同じ文が書かれていた。

一体誰がこの手紙を送ったのか2人で審議していた時だ。


「やあ、待たせたな。」

えりがゆきと麻斗を連れてやってくる。

「これで役者は揃ったな。じゃあ始めるか。君達も知りたいだろう。彩花さんの事件の秘密。」 


「えりさん、秘密ってなんだ?」

「彩花様を殺した犯人でも見つかったんですか?」

「まさかわたくし達の中にいるなんて言うんじゃないかしら?」

3人は口々に言う。



「ああ、ご名答だ。あなたが犯人ですよね?」

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