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【詩集】巡る想い  作者: 日浦海里
2/16

あの夏の日

どうしてあのとき、

すべてをなげうってでも、

君の傍に行けなかったのだろう

例え君が言葉では望んでいなかったのだとしても

それでも

君と初めて言葉を交わした

あの冬の日の頃のことより

君と最期に言葉を交わした

あの夏の日の頃のことばかり

幾度も幾度も思い出される


あの日交わした最期の言葉は

今はなにも思い出せない

これが最期になるはずないと

心のそこから信じていたから


それでもあの日に交わした言葉に

どんな思いを込めていたのか

その思いだけは薄れることなく

この胸の内に残り続ける


きっと必ず逢えるから

これからも傍に寄り添えるから

だからこうしてまた話せたなら

必ずその時は君の傍に


君は何を思っていたのか

僕よりずっと多くの想いを

その胸の内にしまいこんだまま

あの部屋の中に帰ったのだろう


君が何を思っていても

僕はそれに気づかぬふりして

きっと必ず大丈夫だと

無邪気な言葉を繰り返してた


信じることしかできない僕は

どれだけ不安が押し寄せようとも

笑顔を君に繋ぐ以外に

なにも出来ることはなかった


それでもたった1度ぐらいは

すべてを捨てるつもりになって

出来たことがあったんじゃないか

今もそれを考えてしまう


きっと僕のその後悔が

君と初めて言葉を交わした

あの日の冬のことよりずっと

君と最後に言葉を交わした

あの夏の日の記憶を

強く強く思い出させる


それでも、どれだけ後悔しても

あの夏の日の言葉と想いは

僕ができた唯一のことで

僕が抱いた一番の想い

奇跡が起こったとは思わない。

それでも、あのときどうすることが正しかったのか

今も、分からずにいる



お読みいただき、ありがとうございます

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