聖女になった幼馴染からの手紙
思い付きです…
僕はアレン。エスデール王国の外れの小さな村、ラゼリア村の村長の息子だ。
僕にはミーナという、とても可愛くて、優しくて、でも意志が強くてしっかり者の大切な幼馴染が居る。
僕たちは将来結婚の約束をしている。ミーナがお嫁さんに来てくれるなんてなんて僕は幸せなんだろう。お昼の休憩、手をそっと握ると頬を赤らめたミーナはきゅっと握り返してくれる。周りのみんながヒューヒュー言って冷やかしてくる。
しかし、僕たちが15歳の成人を迎え、結婚が可能な16歳まであと1年というところで大事件が起きた
魔王が復活し、程なくして王城で異世界から勇者様が召喚された。
そして、ミーナが聖魔法を覚醒させ、聖女に選ばれたのだ
聖女様とは勇者パーティーの回復役だ。世界を救う一団の大役だ。ミーナは不安そうにしていたけど、いつまでも待っているからねと送り出した
お手紙書くから!と鼻をすすりながら厳重に護衛された騎士団の馬車に乗り込むミーナを僕も泣き笑いで見送った
手紙1通目
愛するアレンへ
(中略・意訳:アレン大好き!)
聖女の訓練が始まりました。王太子殿下の婚約者であらせられるエリザベート公爵令嬢様が手取り足取り教えてくださるので最初は緊張してパニックになっていましたが、とても気さくでお優しい方なので今は楽しく訓練できています。今までだったら雲の上みたいなお方なのに、今は私にとってお姉さんみたいな存在になっているのがなんか不思議な感覚です。
…良かった、元気そうだ
手紙4通目
愛するアレンへ
(中略・意訳:アレン愛してる!会いたい!)
いよいよ旅に出ます!メンバーは私、大賢者のエリザベート様、近衛騎士団長で剣聖のセイバー様、エリザベート様の侍女のロザリタ・チスネロスさん、勇者様です。
そういえば、勇者様の戦闘スタイルってなんかイメージと違うのよね
ほら、勇者様っていったらなんかこう、神聖な剣で魔物をバッサバッサ斬り捨てたり手から魔法も放てるみたいなイメージじゃない? でも実際は空間魔法と魔道具造りの天才で魔道具を空間からどんどこ出したりしまったりして切り替えながら戦うスタイルなのよ。ちょっと意外だったわ
…最近、友人がふざけて寝取られ小説なんか渡してくるから不安になってしまったけど、ニーナは僕のことを想っていてくれるんだなぁと嬉しくなった。勇者のことは戦闘スタイルしか書いてないし
手紙12通目
愛するアレンへ
(あまあま中略)
お変わりありませんか?私達は今エムロード帝国に入りました。
魔物はいつも勇者様とロザリタさんが瞬殺しちゃうのでエリザベート様とセイバー様はやることが無いとぼやいています。私は怪我人を一生懸命治して回っています。
勇者様は戦闘狂?!
あと剣聖様や大賢者様を差し置いて勇者様と一緒に無双できるロザリタさんって何者だよ?!
それから、ニーナが聖女様として行った先々で崇められているのはこの村にも伝わってきている。嬉しいし、誇らしい気持ちでいっぱいだ
手紙32通目
愛するアレンへ
(いつものあまあま中略)
いよいよ魔物の国に入るのですが、お手紙は大丈夫です!勇者様の魔道具で王国のお城に手紙を飛ばせるのでこれまで通り送れます!
あと、魔物の国に入ってから勇者様がすごいはしゃいでます。
なんでも、渾身の出来だったのに王様に封印された魔道具の使用許可がやっと出たそうです。
と、ここまで読んだところで
「アレスー!!!」
「え?!ミーナ?!」
最愛の幼馴染がダッシュで抱きついてきた。手紙を落とし、わけがわからないまま、それでも抱きしめ返す。ああ、愛するミーナだ、間違いなく!!
「最後のお手紙とほぼ同時だったね〜!」
「…え?!じゃあもう冒険終わったの?!」
「うん、ええとね…なんだったかな?
魔物の国に入ったら、勇者様がものすごく大きい魔道具出してね、ギュいいいいいいいいインってなってどっががガァァァァァァァァンってなって魔物の国が消滅して終わったよ!!」
「…えぇ〜なにそれ」
半年後、俺たちの結婚式に来てくれた勇者様に聞いてみたところ超高圧縮してプラズマ化した火の魔力の弾丸を直列に並べた35の薬室を連続爆発させることによって多段加速させ、着弾地点に35000メガトンのエネルギーを炸裂させるムカデ砲だよ!!と力説されたけどしがない村人の僕にはよくわからなかった
因みに、結婚式はミーナの強い希望で村でほのぼのと行われることになった。そのことで色々うるさく言ってきた勢力はやはりあったらしいけど勇者様とエリザベート様が黙らせてくださったとか。勇者様、最初の頃疑ってごめんなさい。
あと、エリザベート様がノリノリで「勇者!貴様なにをするつもりだ!!」とそのとき怒鳴ったとか。
「もちろん俺は彼女にこう言ったよ"いやいや、ちょっとお手伝いをね"ってね」
まあよくわからんけど、昔から大好きだった幼馴染と結婚できて幸せだ!
もちろん僕だってただ待ってた訳じゃない。ミーナに少しでも相応しい男になれるように色々必死に努力してきた。
「…これからもよろしくね」
「うん、こちらこそ」
そっと口付けると、勇者パーティーの皆さんや村のみんなから歓声が上がった
※不明な魔道具が接続されました
※システムに深刻な障害が発生しています
※ただちに使用を停止してください
勇者がフロム脳ならみんな幸せ説
修正が必要だ…




