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悪夢

コメディなんて書けるのか?

 セピア色の暖炉で、これまた色褪せた猫を撫でている僕の目の前で、なんか美女が彼女だけ鮮やかにそこにいた。


 笑顔を保っているようだが、僕の目には口角がヒクヒクと痙攣しているように思える。

 目も笑っていないし。


 折角気持ちよく良い夢を見ていたのに、彼女が夢に割り込んできて明晰夢に変わってしまった。


「はぁ……折角のいい夢が台無しだよ。なんか用?」


 腰掛けていた椅子を少し軋ませ、肩を竦めてみせる。


 美女、まあ女神を自称している哀しい存在だが、たまによく夢に現れる。

 なんか波長が合ったとかで、お告げを神様を代表して僕に伝えてくるのだ。


 ………めっちゃ怪しいよね。


 勿論今まで伝えるよう言われたお告げは全部僕が握り潰してきた。


「あんたねぇ…魔王が5段階くらいアップグレードされたから伝えといてって言ったよね。なに何事も無かったように『いい夢』見てるのかしら?」


 そんなこと言われても、勇者が魔王と戦わなければならないこととか、人類が存亡の危機に立たされているっていう事実は変わらないよね。

 寧ろ魔王が強化された事を知ればモチベーションが下がっちゃうかもよ?


「まあいいわ。万民が有難がる神々のお告げを無視したっていうんだから、今から言うことには従って貰うわよ」

「え? 嫌だよ?」


 なんで自分を神だって言い切れるような詐欺師の言うことに従わなければならないのか。

 口角を痙攣させながら顔を赤くしていく彼女が、僕の言葉が聞こえなかったかのように話し出す。


「このままだと世界は魔王によって滅ぼされるわ。だから、最終手段としてあんたを介して私の力を使うわ!

 だから魔王と戦う勇者達のパーティに入りなさい!」

「うわ、また僕がネクロマンサーだって誹謗中傷されるヤツじゃん」


 一度住んでた村が盗賊に襲われた時に、呆気なく僕も含めて村人全員殲滅されちゃったことがあった。

 その時に天国への階段を昇っていた僕をこの自称神様は階段から蹴落として無理やり蘇生してきた。

 それから今と同じように最終手段とやらで彼女が蘇生しまくって村人達は生き返った訳だ。


 ……だけど蘇生なんて普通に考えて気持ち悪いよね。


 僕は陰口を叩かれて傷心状態で村を旅立ったのだった。


「まあそれはあんたが私と波長が合っちゃった時点で不可避だわ。大人しく誹謗中傷されなさい」

「うん、嫌だよ?」


 嫌に決まってるじゃないか。


「もしこのお告げも聞かないと言うなら、もうあんたを蘇生しないわ!!」

「あ、聞いてみてもいいような気がしてきたな」


 死んだ後の魂が何をされるか散々彼女に言われてきたからか、そんな答えが口をついて出た。

 仕方がない、了承したんだからもう後には引けないね。

 はぁ……夢が醒めていく。

 悪夢だったな

二日坊主ですので、先を読みたい方はすみません

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