夢と目覚め
「君は変なやつだ。」
何の、こと、だ。
「凡人のくせに、運命に逆らうのか。」
うる、さい、な。
誰、だ。
「絶対。従わせてみせる。」
夢は、ここで途切れた。
「ん、起きた?」
師匠と目が合う。近い。そして、 柔かい。何かが頭の下にある。あれ、もしかしてこの体勢は、その、なんだ。膝枕というやつか。
って、待て。大事なのはそこじゃない。
触れている。師匠に触れている。私が。
「なっ!何で!?身体がある!!?」
私は驚きのあまり飛び上がってしまう。
「おおー。話すことも動くことも出来てるようね。いかがかしら。それがあなたの身体よ。はい鏡。」
師匠は水の魔法で鏡を作り出す。その中には真新しい私の姿が映っている。
「なんかさっきねー、魔力不足で消失しかけてたから慌てて身体を生成してその中にあなたを無理矢理くっつけたの。でもまあ、急ごしらえにしては綺麗な姿よ。」
そうだったのか。なら仕方ないか。うん。もう済んだことはいい。それで、マイニューボディ!一体どんな姿なんだーーーー………ん?
鏡を覗き込む。そこに映っているのは、濡れたように光る金髪と澄みきった蒼い瞳。天上の華の如く美しい娘がいる。しかし悲しいかな。まだ子供のようだ。十年後にはこの娘、化けるんじゃないかなー。
「どうした、どんなまじまじと見つめて。幼き日の私がそんなに美しいか?」
ニヤニヤしながら師匠は聞いてくる。
「あー。これ昔の師匠なの。確かに将来は美人どころか女神様って訳。昔の自慢はいいから、その鏡で私を映してくれ。」
「いやいや。それがあんたの身体よ。」
「何だと?」
「?悪いけど文句は受け付けないわよ。緊急事態だったんだから。素直に美少女になれたことに喜びなさいな。」
「美少女ってことが問題なんだよ。私は男だ。チェンジで。違うのにしてくれ。してください。」
「えっ、あんた男だったの!確かに可愛げのない口調だったけど。だってあんた自分のこと、私、って呼んでるじゃない!紛らわしいのよ!!」
「それは!…その、なんというか…。私の話し方は北国の訛りが酷くて…。恥ずかしいから地元以外だとつい、堅苦しい話し方になるんだ。田舎者って馬鹿にされたくないから…。」
「フフッ。なにそれ。あんた変な癖があるのね。なんか可愛いー。」
「う、うるさい。早く違う身体にしてくれ。」
くそ、顔が熱い。他人の顔なのに。
「いやー、それは無理ね☆だって幽霊のあんたが昇天しないように絶対外れないようガッチガチにその身体と魂をくっつけちゃったもん。ごめんねー!」
師匠はテヘペロ。と言わんばかりのポーズを決める。
「そんなぁ…。」
女の高い声が弱々しく響く。
なんてこった。私は異世界で金髪女神系幼女へとなってしまった。
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