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死にました。

初めまして。tautです。

ある夏の夜のことだった。



その日の暑さは異常だった。だから私は死んでしまったのだろうか。



病室のベットの上で私は死んだのだ。



事の始まりは二年前、学校から家に帰る途中、胸に激しい痛みを感じ、そのまま私は倒れた。


そのまま私は救急車に運ばれて病院へたどり着いた。ベットの上で目覚め、医者から心臓の病である事を告げられた。



余命一年。助かる見込みはなし。末期らしい。



他人に私の身体のことはわかるものか。と、始めのうちは信じることはなかった。しかし、次第に症状が悪化するにつれ現実なのだと死を意識するようになった。



それでも、こんな若いうちに死ぬなんて嫌だ。絶対に病気なんかには負けないと気力で抗い続けた。



この頃の私は17歳。まだやりたいこと夢もいっぱいで人生をこれから謳歌するっていうその矢先に起きた事件だったのだ。何より親よりも先に死ぬことは一番嫌だった。これまで育ててくれた親に何もしてあげれなかったのは悔しくもあり、悲しかった。生まれてから死ぬまでのたった19年。これだけは本当に無念だ。



根性で生きて余命一年を迎えても私は生きていた。男の意地で生きた。もうこのころはほとんど病院から出れる身体ではなかった。



病院ではなく自宅で余生を送るという方法もあったが、どうやら私のかかった病気はあまり前例のない病気らしく、医者に研究させてくれと頼まれたからである。まるでモルモットだ。人をなんだと思っていやがる。



それでも研究の対価としてかなりの額の金がもらえるのでで私は病院にいることにした。せめて残された家族たちに残せるものが出来るのは良かった。喜ぶかはわからないが。あと期待はしてないが病気が治るかもって淡い期待を抱いたりしてたかもしれない。結局そんなことはなかったけど。



そして19歳の夏の夜。病院のベットの上で私は死んだ。余命一年を乗り越え、もう一年欲張って生きてやった。20歳の誕生日まであと1ヶ月だった。まだ死にたくないなあ。



と、ここまではただの不幸な若者の話。本題はここからなのだ。



死後、私の意識ははっきりあった。ボロボロになった肉体には消え、辺りは見覚えのない景色へと移り変わっている。



空は月明かりが眩しい。その傍、暗い空の中、星々が小さく、宝石のように輝いている。辺りを見渡すと白樺のような木々が生えている。空気は少し冷たい。新鮮で透明感がある。ここは森の中だろう。もののけが出てきそうなくらい、自然が豊かな森だ。



耳を澄ます。水の流れる音、風で揺れる葉の音、梟や鈴虫のような生き物の声も聞こえる。入院する前の年のお盆に訪れた祖父母の田舎もこんな感じだったかな。



違う点があるとすれば、自分しか人がいないってことと、目の前に小さな泉があるという事だ。



それにしても妙な話である。私は確実に死んだのだ。だというのに水の音がわかるということは聴覚があり、新鮮な空気の匂いも感じることができ、ひんやりとした水辺の冷気も感じれる。



死ぬ半年前からは薬の副作用とかで五感は大分鈍ってたから、こんな感覚を味わうのは久しぶりだ。



ふと、今自分はどんな姿なのか気になった。ちょうど目の前に泉があることだし、覗いてみよう。



泉の前に立ち屈んでみる。水面を覗き込み、自分の顔が映ってないか確認する。



しかし、不思議なことにいくら覗いてみても自分の顔が水面に映ることはなかった。生前、学校で鏡は光を反射してなんとかこんとかっていってたから光がないから映らないのだろうかと考えたが、月は満月で雲があるようにもみえない。水面に映るはずの姿が映らないのはおかしい。



しばらく水面を覗いていると、泉が金色に輝き始めた。





深淵を覗くとき、深淵もこちらを覗いているのだ。



そんな言葉を急に思い出した。



深淵が姿をあらわす。












時間見つけて投稿して行くのでよろしくおねがいします。週1〜3くらいの頻度であげていくつもりです。もしよければ評価とかしてくれるとすごく嬉しいです。あげる時間は18時の予定です。

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