卒業
『鬼ごっこ』
小さい頃から多くの人が遊んだことがある『ごっこ遊び』の一つだろう。だけど、今私達がやっているのは鬼”ごっこ”じゃない。子供達がやるような可愛らしいものじゃない。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ…………!!」
また誰かが捕まった。もう嫌だ。死にたくない。
「一緒に遊ぼうよ…」
「「一緒に遊ぼうよ…」」
「「「一緒に遊ぼうよ…」」」
「”一緒に遊ぼうよ…!!”」
子供用の患者服を着たモノたちがトテトテと迫ってくる。
あぁなんでこんなことになってしまったんだろう。誰がいけなかったのだろう。素直に家に帰ればよかった。卒業の日にやることじゃなかった。廃病院に入ろうなんてしなければよかった。けど、誰も止めなかった。最後の日だから…人生最後の日なるなんて想像もしてなかった。けど、今悔やんだって仕方がない。
ドサッ
「待って…待ってよみんな…足挫いたみたい」
全員が一瞬止まる。だけどすぐに廊下を走りだす。
「待って…待ってよ…措いてかないで…」
私も足を前に向ける。
「七実さん助けて…」
助けたい。助けたいけど…。
「ごめん…」
私は振り返りもせず駆け出した。
「そんな…待って…待ってよ…」
「今度はお姉ちゃんが遊んでくれるの…」
「「今度はお姉ちゃんが遊んでくれるの…」」
「「「今度はお姉ちゃんが遊んでくれるの…」」」
「”今度はお姉ちゃんが遊んでくれるの…!!”」
私は振り返らない。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ…………!!やめて…!!引っ張らないで!!とれちゃう…とれちゃうからああぁぁぁぁ……あああああぁぁぁぁああぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁああぁああああぁぁぁぁぁぁぁ!!いぎいいぃぃぃぃぃぃいいいぃぃぃいいぃぃぃいぃいいぃぃぃぃ!!見えない…見えないよ…返して私の眼を返して…やめて…やめて…首…やめて…く…びとれちゃ…とれちゃう……からあああぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁああぁぁぁ…!!」
私は後ろから聞こえる断末魔を無視して走り続けた。先に行った人に追いついても彼らを抜いていく。私達は走るのをやめない。私もやめない。この病院の診察が終わるまで。
「もっと遊ぼうよ…」
最後の一人になるまで…
「「ねぇ…もっと遊ぼうよ…」」
終わることは亡い…
「「「僕達ちちちち血血血ちちちちちちちち血血血血ちちちちとあそそそそそんでよおおおおぉぉぉ
ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉおぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉ!!」」」
私達の人生を卒業する日…
「あぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ痛えぇぇぇ!!待てお前らっ!!まt!!」グビュッブジッ!!
前兆もなく幕を開けた喜劇…
「次はだれが遊んでくれるの……」
私達の『鬼ごっ殺』が…
皆さん初めまして。ムムです。
今回が初めての投稿になために、結構雑な仕上がりに見えてしまったかもしれません。
現在別所にて他の小説も持っていますが、こちらに移転することにしました。
私は仲の良い数人が集まったグループの中で執筆・編集を行っているんですが、作業を分担しているだけあって、楽なんですが時間がかかってしまいます。
少しずつ作品を移して”なろう”用に編集してから投稿していきます。
時間に余裕が生まれたら、是非ご覧ください。




