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先生の車


『先生…

今から会えませんか…?』


部屋のベットに

寝転がりながら

先生に送ったメール。

学校から帰宅した私は

塾の準備をしながらも

先生にこんなメールを

送っていた……


数分後……

先生からのメールは

ただ一言。


『いいよ。』


私は先生からの

メールを確認すると

塾の荷物を素早く

リュックに詰め込んだ。


「お母さーん

今日はテスト近いし

早めに塾に行くね!!!!」


そんな私の声を

聞きつけてお母さんか

玄関までやって来た。


「そうなの?わかったわ。

気をつけてね。」


そう言って私を

見送るお母さんの笑顔を

見て少し胸が

痛んだ気がした……


『今家出ました!!

橋の所で待ってますね』


私は自分の家の近くの

橋を待ち合わせ場所に

選んだ。

あそこなら人通りが

少ないから

人に見つかる心配は

ないと思うし……

7時近くになって

あたりも結構

暗くなっていた……


待ち合わせ場所に着くと

先生は

まだ来ていなかった。

先生に出会ってから

2年近くが

経とうとしている…

私がこの人を

好きになるなんて

誰が予想したのだろう……だけど気が付いたら

日に日に先生のことを

考えている自分がいて

これが恋心だと知った。


先生がいるから

楽しい。

先生がいるから

頑張れる。

先生がいるから

私は幸せなんだよ……



そんなことを

考えていると

私の前に

一台の車が止まった。

見慣れた白い車……


すぐに先生の車だと

わかった私は

先生の車のドアに

手をかけた。


こういう時って

助手席に座っても

いいものなのかな……?


車の外で

オドオドしている私に

先生は窓をあけ

優しく声をかけた。


「前に座れ。前に!!」


私はゆっくり

先生の車のドアを開けて

助手席に座った……


「おじゃましまーす」


ドキドキしながら

横にいる先生を

見ると

スーツのままだった……


「先生忙しく

なかったんですか?」


「仕事は残ってるけど

明日するから大丈夫!!」


「なんかすいません……」


「いいんだって!!

俺もお前に会いたかったからさ……」


そう言って

運転しながら

にっこり微笑む先生が

愛しくて愛しくて

仕方なかった……


「先生どこ行くんですか?私塾あるから

ちょっとしか

いられません……」


「適当に駐車場にでも止めて話そう。

会えただけでも十分!!

また時間があるときに

ほかのとこ行くから

場所決めとけよ〜」


先生はそう言うと

人通りの少ない

駐車場に車を止めた。


エンジンを切ると

さっきまで流れてた

ラジオの音もなくなり

車内が静寂に

包まれた……


二人っきりの空間。

すっごく胸が

ドキドキしているのが

自分でもわかる……


そんな中

先生はシートベルトを

外し

私の目を

真剣に見つめてきた……

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