化学準備室
雨がシトシト
降っている……
私はそんな中
化学室に続く階段を
掛けのぼっていた。
―――ガラッ
「先生っ!!」
私は勢いよく
化学室のドアを開けた。
あれ……?
化学室のドアを
開けたものの
先生の姿はなかった……
そんなとき
化学準備室から
物音がする。
私はゆっくり準備室の
ドアを開けた。
「おー梓!!」
そこには
明日の授業の準備をする
先生の姿があった。
「ここにいたんですか!」私はそう言って
準備をしている
先生の姿をながめながら
近くにあったいすに
腰をおろした。
「お前部活行かなくて
大丈夫だったのか……?」
そう心配そうに
聞いてくる先生。
「雨だからいいんです。
先輩にも
言ってきましたから!!」
私はそう言って
立ち上がると準備室の中を探検することにした。
見たことのない薬品や
ものがたくさんある
いじくってると
先生が私の頭をポンって…
「先生っ…」
「勝手に
いじくんな!!ばーか」
先生はそう言って
意地悪そうに笑った……
私は渋々椅子に戻ると
先生も私の横に来た。
「お前部活
頑張ってんだってなぁ!!」ふいに先生が
口を開いてきた。
このまま世間話タイムの
始まり……
先生と話すのは
すごくすごく楽しい。
素の自分を
だせるというか……
気がつけば
一時間以上経っていた。
「あ…もぅこんな時間だ!私そろそろ部活行かなきゃヤバイです…」
私はそう言うと
席をたちドアに手をかけた
「それじゃ…」
私はそう言ってドアを
開けようとした……
「梓…!!」
え……?
引き寄せられる体。
先生がすぐそこにいる……私の背中に先生の腕が
まわされていた。