第2話 玄関開けたら自称メイドさん【前編】
時は日々の疲れを癒す日曜日。
僕の家では今……
「おにぃ!この人は誰!?せ・つ・め・い・して!言わなきゃ実力行使だよ!」
拳を握りながらジリジリと詰め寄る妹と
「湊様がお望みなら私は今すぐにでも服を脱ぎますが…着たままの方がよろしいですか?」
ほんと訳分からなすぎてどこからツッコミいれればいいのか不明な少女による
暴力的で名状しがたい修羅場が起こっていた。
「どうしてこうなった…………」
・・・・
中学3年生の卒業間近に起こったとある少女の自殺未遂事件。
少女の自殺を食い止めた僕【葉山 湊】は事件の功労者として……
なんか色々もみくちゃにされた。【物理】
事情を聞き出そうとする学校側・這いよるマスコミ・何故か色々詳しいお母さんネットワーク……etc.
とにかく追い回された!
多分ここ数日で50メートル走のタイムは確実に縮んだ!(やったぁ~嬉しいなぁ!くそがッ!)
まぁ本当に心配してくれた人も中にはたくさんいたが………
いたよな家族以外にも?………
そうゆうのって数じゃないと思う!
まぁでも幼なじみと親友そして家族には本当に迷惑をかけた。
家に帰り事件の内容を話した時は父さんからは褒められ母さんからはかなり心配をされた。
そして妹の佳恋【かれん】からは
「おにぃのばかぁぁぁぁぁぁぁーー!!!!」
全力で泣かれた。
分かり易く具体例を挙げると買ったばかりのシャツが涙と鼻水でぐしゃぐしゃにされた。
以外と高かったのに……高かったのに……
いや、でもそんなことは全然気にしてないよ…うん!……うん……
いつも天真爛漫な妹が僕のために泣いてくれたんだから怒るわけ……
「おにぃ陰キャでオタクのくせに何でこんな危ないことしたの!」
前言撤回だ!
貴様がその気なら僕は戦争を辞さないぞ!
とまぁそんなこんなで色々あったがなんとか事態は収束していった。
そして冒頭の直前まで時は遡る。
とはいえ僕にもなにがあったかよく分からないから順番に説明するぜ!【キリッ】
まず、明日から必要になるだろうノート等の文具を僕は買いに行った。
そして家に帰り、ドアを開けると
「お帰りなさいませ湊様」
メイドのコスプレをした少女と
「おにぃ誰この人!?」
その少女を指差し僕に疑問を訴える妹がいた。
えっと……うん…家間違えたかな…今の妹は幻影だ。うん!
ガチャ!
僕は直ぐさまドアを閉め明日へ向かって走りだそうとした。
今こそ鍛えられた脚力を見せるとき!
すると……
ガチャ!!!!
「逃げれると思ったのおにぃ?」
僕は無残にも現在中学3年生陸上部部長の妹に秒で捕まり部屋まで引きずり込まれていった。
to be continued!