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男たちの馬鹿な日常  作者: 附箋
9/9

雪2

ちょっと不謹慎かもと思いましたが書かずにはいられませんでした

 ブーン……キキーーーーーーードン!


 ……あれは


 「おお、まーた派手に事故ったなぁ」

 「ですねー、てかあの車タイヤが夏用っすね」

 「マジかよ勇者だな」

 

 そんな勇者はいらない。


 本当にそれで一体いくつもの死亡事故が出ていると思っているのやら。死亡とまではいかずともスリップして衝突なんてものはよくあることだ。スタットレスでさえ下手したら滑るってのに。


 さて、ここで一つ教えておかなければならないことがある。誰にとか突っ込まないように。



 通常タイヤには大きく分けて2つある夏用と冬用スタットレスだ。この中にSUV用だとか軽トラや軽パコだとかスポーツタイヤだとかがある。

 

 夏用と冬用のタイヤの大きな違いはタイヤの溝だ。見てもらえれば分かるが夏用に比べて冬用のやつは細かな溝が多い。通常氷の上にできる水膜は数ミクロンでありその細かな水を吸収そしてはじき飛ばすことを目的としている。


 それだけなら夏用でもいいじゃないかと思うかもしれないが夏用では細かな溝がないのだ。夏用タイヤは凍結していない通常の水膜に対して効力を発揮することができる。雨天時通常での道路では1~2㎜の水膜ができると言われている。そのため大きな溝で水を吸収しはじき飛ばしている。そのため氷の上にできる水膜を吸収、はじき飛ばすことが不得意なことによりスリップしてしまう。


 さてもう一つ違いがある。それはタイヤの固さだ。どちらの方が固いと思う?




 






 












 答えは夏用タイヤだ。夏用タイヤは熱せられた道路によってタイヤが変形してしまわぬように固くしてある。では冬用は?ふにゃふにゃとまではいかないが夏用に比べればだいぶ柔らかい。


 これはより多く地面との接地面を多くして少しでもスリップの危険をなくすためのものである。だからこそ冬用のタイヤの空気圧は若干低めに入れている。


 さて、冬用タイヤで夏走ってはいけないのか。……そんな事は無い。走っても大丈夫。


 たださっきも言ったように接地面が多い分多くの力が必要となり燃費の悪化になったら大きな音が出てうるさい思いをするだけである。



 と長々説明したがそんなところを覚えておけば何とかなるはず。


 じゃあさっき目の前でスリップした車が何をつけていたのか思い出してみよう。


 そう夏用タイヤだねb



 「流石馬鹿だな、こんな雪の中でも夏用タイヤだ」

 「ええ、思わず心の中で解説しちゃいましたよ」

 「それをあいつに言ってやれよ」

 「言っても意味ないだろぉ」


 すーぐ忘れるんだから。


 「おーい貴様ら!雪合戦しようぜ!」

 「……」

 「2対1だな」

 「その内訳を聞こうか?」

 「俺とお前VS馬鹿だ」

 「ほう」


 意外だなこの先輩なら俺を一人にして『いつもの恨みいいいいいいいいいい』とかやってきても不思議ではないのだが。  


 「そんなことしたら後が怖いだろ!」

 「はっはー」


 ばれてた。あたり前だよね仕返しするのなんて!


 「よーし俺様が一人で貴様らを撃ち殺してやるぜー」

 

 ほほう。面白いことをつぶやいていますねあの野郎。料理してやろうか。


 「先輩、奴もああいってますしお言葉に甘えて」

 「ああ、そうだな」


 俺と先輩は笑顔で頷きながら足元にある雪を拾い丸める。そして……。


 「お、なんだやる気だな!よーしそr『『死ねええええええええええええ』』ブベラ!」


 馬鹿に向けて思いっきり投げつけた。


 今だ!奴は奇襲に対処しきれずにいる!

 

 「先輩!今のうちに作れるだけ球を!」

 「おうよ!このチャンス逃してなるもかよ!」


 そんな感じで先輩といきぴったりに連携していると。


 「貴様らぁ、セリフは最後まで聞けと授業で教わらなかったか!」

 「教えられてねーよ!」

 「ダニィ!?」


 ダニィとか本当に使ってんのかよこいつ勇者だな。


 「一ノ瀬!球はもう十分できた、今度は攻撃だ!」

 「流石先輩!雪玉作りだけが取り柄の男!」

 「おうこらディスってんじゃねーよ」


 なぜばれたのか。


 「フフフ、この俺様に勝てるとでも?」

 「何?」

 「これを見ろ!」


 な、あれは。


 そこにはさっき盛大に事故った車があった。


 「車がこんなになって俺様の心はズタボロだ!そんな俺に雪玉をなgちょっ痛っ!痛いって!痛いっての!!!お前ら鬼か!何普通に投げつけてんだ!」


 だって自業自得だし。雪舐めてた馬鹿が悪いんだし。雪舐めんな。


 「雪をなめてたお前が悪い」

 「空気中の塵や埃が一杯ある雪を舐めてさらに食べたお前が悪い」

 「「え?」」


 先輩もかよ。


 「知らなかったんか」

 「え?マジで?あれキレイなんじゃないのか」

 「奇麗なわっきゃないだろ。何言ってんだ」

 「マジかよ……」


 先輩がなんか絶望してる。え、何この先輩雪に何のイメージ持ってんの。奇麗でふわふわでかき氷みたいとでも思ってたのか。


 「お前俺様に雪は奇麗だから食べても平気だと昨日メールで……」

 「おう、俺もまさかこの年になって同級から『雪って食べられるよな』ってメールが来るとは思ってなかったよ」


 知ってますか?一応成人してんだぜ。


 「くっそ、騙したなあああああ」

 「俺の純情を返せえええええええ」


 うおっ。馬鹿が騙されたことに対して怒ってきた。それはまぁ認めたくないけどなんとなく認めてあげなくもないって感じだが。奴はおかしいだろ。なんだよ俺の純情返せって。


 「くっそ、くっそ、くっそおおおおおおお」

 「返せ!返せ!返せよおおおおおおおおおおおおおおお」

 

 怖!怖いよなんか。ホラーすぎんだろ。やばいな『かゆうま』とか言ってきそう。そうなる前に手を打たなければならないが……この方法は使いたくないな。


 でもこれしか止められなさそうだしな……しょうがない腹をくくろう。


 「……止めろおおおお、犯さないでくれえええええ」


 なんて叫んでみた。聞こえていないのか2人はさっきから変わらない。だが変わることはある。それは。



 ズン、ズン、ズン。


 そんな地面を揺らしているんじゃないかと錯覚するほどの殺気を込めた気配がやってくる。それには二人も気づきそしてそれは自分を狙っているものと瞬時に判断。


 殺気を放つその正体は……。

 



 「私の兄さんに手を出すクソ野郎はどこのドイツですか?」


 目が完全に逝っちゃってて声も低く笑顔が怖い我が義妹である。


 「「うわあああああああああああああああああああああああああああ」」


 そんな義妹を見た二人は一目散に逃げだし。


 「あなた達なんですね……」


 と言い、残像を残して二人を追いかけだした。


 数秒後二人の悲鳴らしきものが聞こえた気がしたがきっと気のせいだろう。

 

 

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